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万葉集 大伴旅人を味わう   中永廣樹さん

2022年10月15日

 鳥取県日南町の生涯学習講座「やさしい国語」の講義が10月15日に町役場であり、中永廣樹さんが万葉集を解説しました。「やさしい国語」講座は平成29年から始まり、これまで源氏物語、徒然草、奥の細道と続き、この日は「万葉集」6回連続講義の最終日でした。
 万葉集の編集をしたと言われ、因幡国司であった大伴家持の父である旅人の名歌12首を鑑賞しました。
 旅人の歌は奈良の都への望郷の念、大宰府着任翌年に亡くした愛妻大伴郎女への愛情、こよなく愛した酒に関する歌が多く、当時の時代背景や旅人の漢籍に係る秀でた知識等を交えながら講義は進みました。
 「沫雪のほどろほどろに降り敷けば奈良の都し思ほゆるかも」は、大宰府で降る雪を見ても奈良のことが思い出されるという歌です。「世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり」は妻を亡くした年に詠んだ歌で、妻への愛情が溢れています。「なかなかに人とあらずば酒壺になりにてしかも酒に染みなむ」はユーモラスに表現されており大宰府の長官が詠んだ歌として1200年後に味わうことができることに驚きすら感じます。
 旅人の歌は「平明で分かりやすく、流れるように歌う」と中永さんは言います。受講者からは、万葉仮名のルールや酒壺の形など、万葉の世界を思い、質問が次々にありました。

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