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コラム執筆20年は地域活動の賜物   セカンドライフ研究所北村隆雄さん

2022年8月22日

 鳥取県倉吉市在住のセカンドライフ研究所北村隆雄さんは、月刊誌環境ジャーナルに20年間コラムを書いています。20年ですので約240コラム。書き始めたきっかけや長く続けてこれた秘訣や、北村さんの地域での活動等との関わりなどを伺いました。
環境ジャーナルはエネルギー・温暖化対策、リユース・リサイクル、新技術・産学官連携等をテーマとしており企業や自治体を中心に約1千部を超える定期購読者があり、中国地方を中心に発行されている歴史ある雑誌です。
2004年頃、経済産業省中国経済産業局所管のニュービジネス協議会で産業クラスターを推進する計画が持ち上がり、特許を専門とする北村さんはコーディネーターとして参加していました。そこに同業界で環境雑誌の発刊者・大瀬戸直氏からコラム執筆を依頼されたことがきっかけです。様々なことに興味を持つ北村さんは「なんとかなるわい」と軽い気持ちで引き受けたといいます。
コラムにし、読んでもらいたいことは「その時々にたくさんあった」と言いますが、1コラム当たり1500字程度の文章にするには「興味があるだけでは不十分で、掘り下げること、できれば実践していることが読者に共感してもらえる」と考え、テーマ選定に苦慮しながら20年間書き続けてきたことが伺えます。そして、その源泉は地域での普段の活動に由来するものです。
北村さんは地元倉吉市小鴨で小鴨シニアクラブ会長等、いくつかの地域活性化に取り組む活動に情熱を傾けています。このなかで10年間続けているのが小鴨コミュニティセンターで毎月開催する「おがもカフェ」です。地域の人たちのつながりが希薄になっていることことを解決しようと、せめて月に一度住民が集まれる機会を作ろうというものです。しかし、ここでもう一つ大きな問題があることに気づきます。それは男性の参加が少ないことです。実はこのようなイベントに参加するのは女性が中心で男性の参加が少ないのは多くの地域でも気づいていると思います。
そこで考えついたのが「男性に役割を担ってもらって、かつ、楽しめる」仕掛け。それは「おいしいコーヒーを提供する」というものでした。それも中途半端ではなく、専門家にコーヒーの淹れ方を教えてもらい参加者に楽しんでもらえるようにしました。男性も参加する「おがもカフェ」が動き始めましたがこれでは終わりません。
集まってコーヒーを飲んで楽しいひと時を過ごしてもらうだけでは物足りなさを感じるのが北村さん。「よし、毎回何かしらのイベントをしよう」ここからが北村さんの知恵と行動力の見せ所です。地域で活動する芸能関係人材の発掘や、歴史文化を語れる人々への「おがもカフェ」への出演等、地域の課題を解決するための労苦を惜しみません。毎月の催しにゲストを招き来場者を飽きさせない取組がどれほどたいへんなことか、みなさんにもご理解いただけると思います。
 「ハガキ出し運動」も北村さんが考案し広がり続ける取組の一つです。コロナ禍で人との接触制限が余儀なくされ始めた頃、地域のつながりや運動不足の課題を解決する手段として、人とのつながりができ、ほっこりできることを考えた結果生まれたものです。
ある意味地味な活動ですが、その広がりは啓発4コマ漫画、ハガキ応援歌、紙芝居・UFOチャンポン、歌・UFOチャンポン百万個等々、様々な展開を仕掛けて行きます。そして、今では全国でも同様のハガキ出し運動を取り組む団体が増えています。
そして倉吉市小鴨地区では鳥取看護大学と共同で、ハガキ出し運動による高齢者の健康活動・生活自立の実態や生活満足度調査を踏まえた小鴨地区版の健康手帳の作成へと広がっています。さらに地元で知られる小鴨音頭に新たな歌詞を加えフレイル予防に効果のある振付の考案(これは鳥取短期大学の協力により実現)と続いています。
北村さんは「まず感動すること、そしてそこから刺激を受ける。根底は社会が抱える課題を解決したい」と常々言います。だからこそ20年間コラムが続いていると実感しました。
コラム連載から3冊の単行本が出版されていますので紹介します。「約束は技術か、それとも文学か(2007、日本文学館発行)、「平成いろはのみち草日記(2010、今井出版発行)」、「ポエムとまんがの道草日記(2016、今井出版発行)」
 *写真は北村隆雄さん、環境ジャーナル、3冊の単行本、小鴨音頭踊りの練習風景、北村隆雄著単行本「コロナに負けない新時代 『ハガキ出し運動爆走中』」です。

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