とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」
0857-59-6336
お問合せ お気に入り

HOME活動紹介

倉吉はこた人形は日本を代表する郷土玩具です   山脇幸人さん

2022年5月26日

 倉吉市打吹回廊で5月26日、倉吉はこた人形保存会総会があり、鳥取県地域史研究会山脇幸人さんの講演がありました。テーマは「はこた人形の発見」です。
 はこた人形は江戸時代から倉吉に伝わる張子の郷土玩具です。山脇さんははこた人形が全国的に署名になった経緯などを詳細に話しました。
 郷土玩具の愛好者は明治中頃から目立ちはじめ、昭和に入ると目覚ましくその数を増やし、全国的なブームが到来しました。鉄道網の整備による国内旅行のニーズの高まりを機に、観光振興による地域活性化の動きとして古い玩具の復元や新たな創作による土産品の開発が行われ、玩具(おもちゃ)は限定された地域の子どものものから、全国の大人が楽しむものとなりました。
 こうなると当然コレクターが現れ、玩具を扱う書籍が発刊されるようになりなります。関西で最も著名なコレクター川崎巨泉が大正8年に「巨泉おもちゃ絵集第12集」で「鳥取邊ノおぼこ人形」の名称で紹介、昭和2年には有坂与太郎が「諸国おもちゃ番付」で「ハコタ(伯耆)」と紹介し、昭和3年には名古屋市のトミヤ玩具洞は「諸国郷土玩具大番付」で「倉吉はこたさん」と掲載し、この時期に鳥取県を代表する郷土玩具として全国的に認知されました。
 戦前の郷土玩具コレクション・研究の第一人者である武井武雄は昭和5年発刊の「日本郷土玩具」においてはこた人形を絶賛し「型と描彩とには此處獨特の個性があり、可愛らしさに於いては倉吉の右に出づるものはない」と評しています。
 昭和14年、ベルギーの首都ブリュッセルで開催された「国際人形博覧会」にはこけしを除く郷土玩具10点のうちの一つとして出展されており日本を代表する郷土玩具として脚光を浴びました。
 倉吉に伝わる郷土玩具「はこた人形」が100年前から日本を代表する人形として評価されていたことに驚きと誇りを感じました。

倉吉はこた人形(鳥取県公式サイト「とっとりの手仕事」より)

山脇幸人さん

巨泉おもちゃ絵集「鳥取邊ノおぼこ人形」現在とかわらない

一覧に戻る