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奥深き能の世界   鳥取観世会など

2022年5月22日

 観世流鳥取観世会(近藤光会長)「春の謡曲・仕舞大会」が、5月22日ホテルモナーク鳥取で開催されました。新型コロナウイルス感染症の影響により2月に開催予定だった新春大会に代えての開催です。
 能は奈良時代に中国から渡来した芸能「散楽」を源流とし、時々の権力者に愛されながら数百年に渡る歴史を刻んできました。豊臣秀吉、江戸幕府徳川綱吉五代将軍は自らも舞台に立って舞ったこともよく知られています。また、地方の村々の祭礼の場で神事能として盛んに演じられてもきました。日本人にとっては格式高いものであると同時に、私たちの生活のなかにある身近な芸能でもあったのです。
 本日の公演は、鳥取観世会、花清会、鳥取清調会のみなさんです。まず、小謡「御題 窓」を全員で謡いました。今年の歌会始の儀のお題は「窓」です。天皇陛下は新型コロナウイルス感染拡大の収束を願う気持ちを歌に詠まれました。「世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ」(天皇陛下御製)
 本日の謡曲・仕舞は「胡蝶、鶴亀、鞍馬天狗、田村、絵馬、養老、班女、松風、巴、通盛、吉野天人」です。最初の「胡蝶」は蝶が都の梅の名所で梅花に出会い喜びの舞を舞う謡曲です。謡の発生は腹式呼吸を基本とし、あごを引きのどぼとけを下げるようにして息とともに声を出します。大勢で謡う地謡の迫力に姿勢が正されるようでした。
 一之谷の合戦前夜の悲しい別れや最後の有様を語り、読経によって成仏できたと感謝する「通盛」を近藤代表が舞いました。昭和55年から能を始めたそうで、お仲間の方たちも見入る堂々とした舞でした。
 鑑賞した人たちは、聞き入る方、謡本を見ながらなでるように謡う方など、2時間の公演を楽しんでいらっしゃいました。
 毎月4回の稽古、月に一度は京都からプロの先生を招いてのお稽古を続ける鳥取観世会の謡曲・仕舞を、多くの方に鑑賞していただけるときが早く返ってくることを願いました。

通盛 近藤光会長

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