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復活! 高岡大銅牛     横山璋也さん

2021年1月04日

 鳥取市国府町高岡の高岡神社に大銅牛が復活し、丑年の今年、五穀豊穣や疫病封じを願う人々が参拝に訪れています。神社総代の横山璋也さんらは、〝地域のお宝〟再生を弾みに、因幡傘踊りの里を盛り上げたいと意気込んでいます。
 高岡神社は創立年代不詳ですが、由緒によると、牛頭天王の総本宮・廣峯神社(播磨)を勧請してできたもので、鎌倉時代の1322年に現在地に移されたといいます。それ以来、牛頭天王の因幡一の宮、農業や牛馬の守護神としてあがめられ、江戸時代には神社前で牛市も開かれていたといいます。来年、奉遷700年を迎えます。
 神社のシンボルは大銅牛です。1882年(明治15年)に因幡一円の寄付で座牛(長さ約2m、高さ約70cm)を鍛造し、奉納しました。残念ながら、太平洋戦争で金属供出(1944年)となり、境内から姿を消していましたが、〝地域のお宝〟再生を願う高岡集落のみなさんが立ち上がり、高岡大銅牛復活奉賛会を結成。足掛け3年、クラウドファンディングなどで600万円の寄付を集め、大銅牛を鍛造し、安置舎などを整備して2019年末に奉納。実に75年ぶりにシンボルを再生しました。
 横山さんによると、シンボル再生を思い立ったのは、戦後70年経ったこと、さらに大山の地蔵信仰が牛馬市を育て、日本遺産になったことに刺激されたからだといいます。先人の「地域おこし」の志に学び、受け継ぎ、発展させていきたいと考えています。
 かつて高岡神社には牛頭天王傘踊り保存会があり、夏祭りで剣舞を取り入れた長柄の傘踊りを踊っていたそうで、その創設者が地元の山本徳次郎翁です。因幡の傘踊りの発祥地になりました。いま、地域の有志によって、傘踊り誕生物語の映画づくりが進行中です。
 横山さんは「旧大銅牛は高岡神社近くの山で鍛造されたものです。万葉の里やその周辺には、古い銅鉱山跡や古代豪族・伊福部氏の足跡などが残っており、調査研究しなければならないテーマやロマンがいっぱいあります。大銅牛復活は、その第一歩です」と話していました。 

高岡神社にかつてあった大銅牛を紹介する横山璋也さん (002)

牛の神様が戻ってきた高岡神社

復活した大銅牛の鼻をなでる参拝者

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