とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」
0857-59-6336
お問合せ お気に入り

HOME活動紹介

 愛国は愛郷より       澤田廉三顕彰会・三愛のクニへ研究会など

2020年12月06日

 岩美町出身の外交官で初代国連大使を務めた澤田廉三が亡くなって50年。これを記念したフォーラム「愛郷・外交官、澤田廉三の生涯」が12月6日、出身地のいわみんホールでありました。「愛国は愛郷より」が口癖だった澤田。郷土の偉人をたたえるとともに、小説「愛郷」の出版を祝いました。
 小説「愛郷」は地元の元高校教師・片山長生さんが書いたものです。外交官兄弟の澤田節蔵・廉三とその妻・美喜の物語をNHKの歴史大河ドラマに取り上げてもらうため、その原作本として書きました。節蔵は戦前日本の国際連盟脱退に抵抗し、廉三は戦後日本の国際社会復帰に尽力し、美喜は戦後日本の混血孤児を救済したことで有名です。それぞれ戦前、戦後の日本を動かした人たちです。
 小説は廉三の一代記の形で史実に基づき、実名で書かれています。小説の舞台は明治時代半ばから日本が国連に復帰する昭和30年代まで、およそ80年間。日本や世界が戦争を繰り返した時代です。郷土の外交官は、その渦中にいました。
 本は「なぜ日本は戦争に突き進んだのか」「満州事変や日中戦争の内実はどうだったのか」「その時、政権の中枢は何を考え、どう動いていたのか」などに迫り、天皇とのやり取りや密室での会話は、手紙や手記などを基に再現したといいます。小説なので読みやすく、日本の現代史がよくわかると好評です。文科省は2022年から高校教育に近現代の世界史・日本史を学ぶ「歴史総合」を導入することにしており、その副読本としても期待されます。
 さて、フォーラムです。澤田廉三顕彰会(澤田廉路会長)の旗揚げイベントになりました。衆議院議員の石破茂さんをゲストに招き、およそ120人が聴講しました。
 石破さんは講演で、但馬選出の衆議院議員・斎藤隆夫が「何のための戦争か、どのように終わらせるか」と国会でただしたところ、反軍演説だとして議員除名されたことなど、民主主義が破たんしていた戦前の姿を紹介するとともに、戦後はアメリカに気兼ねして現代史を教えない歴史教育の問題点を指摘しました。さらに戦後75年もたっているのに、日本は独立の在り方をあいまいにしたままで、貧富の格差も拡大しており、民主主義は危機を迎えていると問題提起。日本の歴史を変えるのはいつの時代も地方から、小説「愛郷」に学ぼうと訴えました。
 フォーラムでは地元音楽グループ・Amyu(河下哲志代表)の演奏をBGMに小説の朗読や片山さんの解説などがありました。顕彰会の澤田代表は「日本の国際的な自立、世界平和を目指した郷土の偉人の志を受け継いでいきたい」と誓い、顕彰活動の活発化を約束していました。

基調講演する衆議院議員の石破茂さん

片山長生さん

顕彰会代表の澤田廉路さん

フォーラムをショーアップするAmyuのみなさん

一覧に戻る