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佐治川石の魅力    谷口輝男さん

2020年10月10日

 鳥取市の用瀬図書館は10月10日、今年初めての「本と人、人と人」が出会う講座を開き、鳥取愛石会の谷口輝男さん(元佐治村助役)から日本三大銘石・佐治川石の魅力など佐治のいいとこ、すごいとこを聞きました。
 佐治川石は鳥取市佐治町(旧佐治村)で採れるもので、全体に青黒く、緑がかっているのが特徴です。表面が凸凹していて変化に富み、庭石や水石として利用され、北海道・石狩川の神居古潭石(かむいこたんせき)や滋賀県・琵琶湖下流の瀬田川石とともに、愛石家に人気です。
 佐治川石は3億~1億6千年前、海底火山から噴き出た溶岩などが高い圧力を受けてできたものとされ、九州北部から中国地方東部に広がる三郡変成帯にあり、若桜町からも佐治川石と似た三倉石が出ています。
 谷口さんによると、佐治川石がブームになったのは日本経済の高度成長期、昭和30年ごろといいます。地元は佐治川石の保存に乗り出したものの、機械を使った採石や盗石が続き、昭和40年に鳥取県は佐治川石の採取を禁止しました。現在、佐治川周辺は県の自然環境保全地域に指定され、佐治川石の採集はできませんが、大水が出た後は佐治川の下流、千代川の用瀬町や河原町などで愛石家が川に入っているそうです。
 佐治町総合支所の中庭には佐治川石でできた庭園「黎明の庭」があります。平成4年に佐治村制80周年を記念してできたものです。当時の大阪芸大学長の中根金作さんが作庭したもので、中根さんは安来市・足立美術館の日本庭園なども手がけています。
 谷口さんによると、黎明の庭に使われている佐治川石は大小合わせて27個です。町内27集落を表し、それぞれが発展し、明日が開けるようにとの願いを込めて配置されているそうです。築後28年経ち、コケがしっかりと根付き、雨の後はしっとりとした緑の空間が広がっています。見ごたえがあります。
 谷口さんは佐治川石はじめ、佐治が誇る5し(和紙・梨・星・話・石)についても紹介しました。近年は佐治漆も加わり、6しを目指しているそうです。併せて、佐治には熊野神社遺跡▽神楽獅子舞▽佐治川ダム▽石碑遺跡▽飛行機墜落現場の穴―などのお宝もあるそうです。このうち、町内すべての神社(15社)では麒麟獅子舞ではなく、なぜか神楽獅子舞が伝わり、熊野3山を模した熊野神社遺跡とともに、謎の解明が待たれると報告していました。

谷口輝男さん

「本と人、人と人」が出合う講座

佐治川石

黎明の庭

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