とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」
0857-59-6336
お問合せ お気に入り

HOME活動紹介

たたらの観光地づくり   中部ものづくり道場・八島弘明さん

2020年9月27日

 かつて関金や三朝など鳥取県中部にあった「たたら製鉄」を復活させて、体験型観光地づくりを目指す「ミニたたらワークショップ」が倉吉市の農機具メーカーで行われています。9月27日はたたら操業とペーパーナイフづくりがありました。
 ミニたたらワークショップは中部ものづくり道場(岡本尚機代表)の主催で、今年で4年目の挑戦です。八島農具興業(八島弘明社長)が協力しています。
 北栄町の浜辺で砂鉄を集め、関金町で炭をつくり、八島農具興業の工場で砂鉄と炭を交互に入れて燃やすたたら操業を行い、そのできた鉄でマイナイフをつくるというもので、およそ5カ月間、4回の工程に分けて体験実習します。今年は延べ40人余りが参加しました。小学生もいます。
 岡本代表によると、鋼ができたのは過去3回のうち1回しかなく、たたら操業の難しさを思い知らされているといいます。鉄づくりは、まさに神がかり。湿度などが微妙に影響するので、昔から金屋子神のご加護が必要でした。炉の温度(1,400度前後)や炉内の粘土、砂鉄や炭の入れ具合など、さまざまな変化で鉧(けら)の出来栄えも違ってくるといいます。
 この日は参加者が砂鉄と炭を交互にミニ炉に投入し、それぞれ20kgを燃やして4~5kgの鉧を取り出すことにしています。およそ1時間半にわたって炉内投入の体験が続きました。
 5寸くぎを熱してたたく、ペーパーナイフづくりもありました。「くぎは軟鉄。たたいてやれば、強くなる。人間も温泉に入ると回復するように、くぎも赤く焼いてやると再生します。とても人間的です」など、岡本さんの解説を聞きながら、参加者はペーパーナイフづくりを体験しました。母親と参加していた名越翼君(4年生)は「よく切れるペーパーナイフができました」とうれしそうでした。
 八島農具興業の事務所では、日本刀・伯耆国広賀(江戸時代初期)などが展示され、八島さんが倉吉の刀工や千歯の歴史などについて解説しました。ミニたたらワークショップは2021年の1月末まで続きます。

八島弘明さん

岡本尚機さん

くぎをつぶしてペーパーナイフづくり

たたら操業を体験(八島農具興業で)

一覧に戻る