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感動のキャッチボール       小谷博徳さん

2020年2月22日

 郷土の民俗芸能の保存・継承を考えるフォーラム「若者と民俗芸能」が2月23日、米子市の山陰歴史館であり、元日野産業高校(日野高校)で郷土芸能部を立ち上げ、荒神神楽を盛り上げた小谷博徳さん(日野町議会議長)が体験談を語りました。
 県内にはたくさんの民俗芸能がありますが、少子高齢化などで、多くの団体で保存・伝承が難しい状態が続いています。フォーラムは平成21年から開かれており、今回は若者をテーマに事例報告やグループ討論会がありました。淀江さんこ節保存会、関金田植え唄おどり伝承保存会、多里かしらうち保存会など11団体が集まりました。
 このなかで、小谷さんは日野産業高校の教員時代の取り組みを報告しました。その内容は、自身の著書「世の中逆さがおもしろい」にまとめられていますが、地元に伝わる荒神神楽を継承していくため、部活をしていない生徒の活用を思い立ちます。とくに不登校など課題を抱える生徒たちを集め、郷土芸能部を立ち上げました。同じ境遇の生徒同士の勧誘で部員は増え、地元神楽団の指導もあり、全国大会の常連校になります。
 各地で公演の機会が増えてくると、生徒は観客に感動を与えるだけではなく、観衆から感動をもらうといった「感動のキャッチボール」を実体験します。生徒たちはこうした体験が活動を続ける原動力となり、活動を続けることで地域に愛着がわいてきたようで、小谷さんは「今では卒業生が地元神楽団を支えるまでになっています」と報告しました。
 この体験談をもとに、参加者は民俗芸能の魅力を改めて振り返り、その魅力をどう若者に伝え、継承につなげていくかグループで話し合いました。SNS(会員制交流サイト)などでの情報発信はもちろん、体験も必要などさまざまな意見が飛び交いました。小谷さんは「子どもの頃の体験が重要。教育現場と連携しながら、小さいころから民俗芸能を体験したり、その歴史を学んだりするなど、親しむ機会を多く作ることで郷土芸能は継承されていくのではないでしょうか」とアドバイスしました。

小谷博徳さん

グループで活発に議論する参加者のみなさん

日野高校の荒神神楽「八重垣能」日野振興センターホームページから)

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