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鳥取若桜会のふるさと探訪       吉田幹男さん

2019年5月12日

 八頭郡若桜町の出身者と、そのゆかりの人でつくる鳥取若桜会(村江清志会長)は5月12日、鳥取市青谷町で「ふるさと探訪」を行い、全国の考古学ファンから注目される青谷上寺地遺跡などを訪ねました。古地図コレクターの吉田幹男さん(若桜会顧問)がガイドしました。
 鳥取若桜会は鳥取市やその周辺で暮らす町出身者でつくっているもので、70年近く続いており、会員は約150人います。毎年、会員の交流を兼ねて「ふるさと」探訪を行っており、今年は20人余りが和紙の里・青谷町を訪ね、妙好人・因幡の源左の菩提寺・願正寺や青谷和紙工房、青谷上寺地遺跡展示館やその遺跡発掘現場などを回りました。
 関心を集めたのが「地下の弥生博物館」といわれる青谷上寺地遺跡です。およそ2,000年前の地下から人骨や脳、精巧な木製の容器や木製祭祀具、鉄器や青銅器などが次々に出土し、その1,353点がこのほど国の重要文化財に指定されました。日本海を舞台にした交易とものづくりの拠点だったことが明らかになり、大量の人骨を活用したDNA調査などで日本人のルーツ探しも始まっています。
 青谷上寺地遺跡発見のきっかけになったのが、山陰自動車道の建設・整備です。近くの横木遺跡や善田傍示ケ崎遺跡からは古代山陰道が出現し、大量に出土した板のなかから国宝高松塚古墳に次ぐ国内2例目の女子群像絵図が見つかり、道路わきには柳の街路樹があったこともわかりました。柳の街路樹発掘は国内初めてで、話題の尽きない遺跡群です。鳥取県埋蔵文化財センター青谷調査室の大野哲二係長によると、引き続き海に面したエリアの発掘を行い、どのような施設を持った港湾遺跡だったかを明らかにしたいといいます。
 鳥取若桜会は埋文センターや遺跡展示館で予備知識を仕入れた後、古代山陰道の発掘現場を訪ねました。吉田さんは古代山陰道が9mもの幅員があり、真っすぐつくられていたことを説明するとともに、青谷周辺の古代道は入り海の関係で横木から山すそをう回し、上寺地を通った後、山越えで伯耆の国へ抜けていたのではないかとみています。「当時の幹線道は納税のための道で、一般人は歩けなかったらしい」と解説していました。
 新しくできた山陰道は古代山陰道とほぼ並行して走っており、この日はちょうど青谷IC―鳥取西ICの開通日。鳥取若桜会も早速、新しい山陰道を利用して帰路につきました。

古代山陰道を説明する吉田幹男さん(青谷町善田)

青谷上寺地遺跡の発掘現場を見学する鳥取若桜会のみなさん

国の重要文化財になった青谷上寺地遺跡の出土品

因幡の源左像(願正寺)

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