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みんなで地域おこし         田中久大さん

2018年10月27日

 鳥取市の白兎神社や美萩野団地などがある末恒地区の郷土誌「すえつね」―神話の郷・いやしの街―ができました。これを記念して10月27日、末恒公民館で編集委員長の田中久大さんが編集余話「末恒あるある物語」と題して講演し、地域おこしはみんなでするものと説きました。
 末恒は湖山池や鳥取空港の西側から白兎・小沢見海水浴場まで、主に日本海沿岸の地域です。伏野、白兎、小沢見、内海中、御熊、三津、美萩野の7地区あり、1,928世帯、6,139人が暮らしています(平成27年国勢調査)。昭和40年の国勢調査は329世帯、1,806人でしたが、伏野と三津の丘陵地に県内最大規模の住宅団地・美萩野団地(1~5丁目)ができ、人口が急増しました。地域住民のおよそ7割が美萩野団地に住んでいます。
 末恒地区まちづくり連絡協議会(田中雅勝会長)は「元気なまちづくりは、地元を知り、学ぶことから」と、編集委員会を立ち上げ、1年がかりで郷土誌づくりを進め、10月1日に300部発行しました。末恒地区の歴史、産業、文化、方言などあらゆることがわかるほか、現在進行中の地域づくりの取り組みなども紹介しています。
 田中委員長は講演で①古い歴史と神話・伝説の数々②たくさんの文化財や観光資源③自発的・意欲的な地域づくりの取り組みの数々―について紹介しました。
 末恒地区が日本最古の歴史書・古事記に登場する「白兎神話」の舞台になっていることは広く知られているところですが、田中委員長は北九州と丹後の勢力争いなど神話の背景についてわかりやすく解説しました。また、古い文献に湖山長者は存在しないことを説明したうえで、地区内には産見長者伝説があることを紹介。医療センター前の「長者石」、中の茶屋の「長者屋敷」、摩尼山の帝釈天縁起など長者ゆかりの伝承が多く残っており、研究課題と報告していました。
 湖山池の石がま漁(1月末~2月末)についても説明しました。全国どこにもない漁法で、平成17年に県の無形民俗文化財になっています。かつて80基を数えた石がまは4基に減ってしまいましたが、田中委員長は「石がま1基は田んぼ1町に匹敵する」と、その価値を紹介しました。
 田中委員長が力説したのは、地域づくりの「あるある」。三津や御熊などで運営している有償ボランティアバス▽美萩野のアジサイ公園整備▽小沢見の大崎城址整備▽三津の石がま祭▽農事組合法人因幡白兎の大規模水田耕作―など住民のがんばりをたたえました。最後に田中委員長は地区の方言や俚諺を編集したことに触れ、「因幡人の性格は『煮えたら、食わぁ』。だれかがしてくれるのを待っているという意味ですが、もう、こんな性格は返上しましょう」と呼びかけました。

 ※写真上:田中久大さん

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