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シニアの生き方を考える          坂本泰司さん

2018年10月09日

 倉吉市の小鴨シニアクラブ協議会(北村隆雄代表)は10月9日、小鴨公民館でシニア人生講座「終活を考える」を開きました。講師は伯耆町の行政書士で光音院住職の坂本泰司さん(僧名・寛豊)。「これまでを整理整頓しながら、人生のリセットを楽しみましょう」と話しました。
 坂本さんは元福岡県職員。定年退職後、出家して修行を積み、67歳で曹洞宗のお坊さんになった異色の人です。「妻と姉をがんで失い、菩提を弔うため仏門に入った」そうですが、熊本県の実家は平成28年の地震でなくなり、縁もゆかりもない山陰にやってきたといいます。
 坂本さんは自己紹介をしながら、「人生の来し方行く末」を語りました。レンタルショップのクレジットカードなどの解約は本人でないとできないこと、生命保険の保険金や遺産相続などが手続きをされないまま、毎年数百億円~数千億円も国庫に納められていることなどを紹介したうえで、エンディング・ノートづくりの大切さを説きました。
 ただ、おじいさんは90歳になってもノートづくりに抵抗しがちです。これを和らげるのが女性の心配りといいます。証券番号や生命保険の存在、遺産相続の考え方を聞き書きしておかないと、遺族は大変です。その一方で、遺産相続になって久々に帰ってくる子供がいたり、介護に尽くしためいには1円の相続もないという事態も発生します。
 坂本さんによると、終活は「その時」に備えての準備ですから、関係官庁や事業者は複雑多岐に及びます。どのような手続き、届けが必要か、個別案件もあり、それぞれ説明していくと長時間かかるそうで、その代行サービスをしているところが全国に120社ほどあるといいます。小鴨クラブは改めて終活講座を計画することにしました。
 坂本さんは小鴨公民館に掲示されている宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を引き合いに、老後の過ごし方を説きました。法華経信者の賢治が自戒のために書いた詩で、「あらゆることを 自分を勘定に入れずに」という生き方こそ大切と解説。奉仕の心と感謝の心で自分を磨き、人生をリセットし、チャーミングなおじいさん、おばあさんになってくださいと結びました。

 ※写真上:坂本泰司さん

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