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鳥取の女性もすごい!!          内田克彦さん

2018年10月02日

 鳥取市民大学の社会講座が10月2日、市文化センターであり、鳥取県を舞台にした歴史大河ドラマを推進する会の共同代表・内田克彦さんが「鳥取ゆかりの人物再発見・女性編」について話し、日本初の女性の弁護士、農村保健婦、外交官は鳥取の人と紹介しました。
 歴史大河ドラマを推進する会は、これまでに①岩美町出身の外交官兄弟・沢田節蔵・廉三とその妻美喜の「三愛のクニへ」②女性参政権運動の先駆けとなった看護婦・碧川かたの「赤とんぼの母」③比叡山や大山を復興した江戸時代の名僧豪円―の3作品を大河ドラマや朝の連続テレビ小説の候補に選び、県民にPRするとともに、NHKなどにドラマ化実現を働きかけています。これからも引き続き人材を発掘し、鳥取県の歴史や魅力などを深掘りしていきたいとしています。
 内田さんの講演はその一環で、これまでの研究成果を報告しました。それによると、鳥取の女性で日本最初の先人になったのは、弁護士の中田(旧姓田中)正子さん、農村保健婦の吉田(鹿田)喜久代さん、外交官の山根敏子さんなどです。
 中田正子さん(1910~2002年)は東京生まれ。父は汗入郡(現在・米子市淀江町)出身。東京の女子経済専門学校(現在は新渡戸文化学園)時代、民法学者の我妻栄に学んだことがきっかけになって法律の道を志し、明治大学へ。同じ大学の武藤嘉子さん(初の新潟家裁所長)、久米愛さん(日本婦人法律家協会長)とともに難関の高等試験司法科に合格。1933年の弁護士法改正で女性にも弁護士の道が開かれことで、中田さんは初の女性弁護士になり、夫の出身地の八頭郡若桜町に移り住みます。
 夫は鳥取県議会議長や参議院議員になった中田吉雄さん。中田議長は県議会に全国初の図書室をつくり、正子さんは全国都道府県初の女性弁護士会長を務めました。
 吉田喜久代さん(1914~1990年)は鳥取市生まれ。稲葉産業組合(現在のJA鳥取いなば)の田中新次郎組合長の勧めで訪問(保健)婦となり、乳児死亡率が高かった農村を巡回し、保健衛生改善に励みます。これがきっかけとなって鳥取県は全国に先駆けて農村の保健婦づくりに取り組みます。吉田さんはその先頭に立ち、活動記録集「砂丘の蔭に」(昭和15年発行)はベストセラーになりました。
 山根敏子さん(1921~1956年)は札幌市生まれ。津田英語塾(現在の津田塾大学)、台北帝国大学を卒業後、台湾軍で働いていましたが、戦後、父親の郷里の鳥取市に引き揚げてきます。県教委事務局に勤めるかたわら、昭和24年に女性にも門戸が開かれた外交官試験を目指します。千数百人の受験者のうち合格したのは12人。唯一の女性合格者となり、岩美町出身の外交官・澤田廉三とともに日本の国連加盟、国際復帰に尽くします。日本初の女性外交官として大きな期待がかけられていましたが、航空機事故で帰らぬ人となり、津田塾大学などは山根さんの遺志を継いで女学生のための「奨学基金」を設けています。基金の初代理事長は澤田廉三が就きました。

 ※写真上:内田克彦さん

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