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2024年5月12日
「朝ドラ・大河ドラマを楽しもう」と題した講演会が5月12日、鳥取県立博物館で開催されました。
講演では鳥取県を舞台とした「歴史大河ドラマを推進する会」の共同代表・内田克彦さんが、日本初の女性弁護士養成を目的とした東京女子法学院を開設した高橋千代や鳥取生まれで大正から昭和にかけて婦人参政権獲得に尽力した碧川かたなど、それまで弁護士になれるのは「成年以上ノ男子」に限られていた弁護士法の改正に動き、昭和8年の弁護士法改正につなげた女性たちについて紹介しました。
続いて、あおや郷土館学芸員の奥村寧子さんが日本で初の女性弁護士となった中田正子さんについて講演しました。
中田正子さんは東京生まれで父は現在の淀江町出身。東京の女子経済専門学校(現在は新渡戸文化学園)時代、民法学者の我妻栄や新渡戸稲造に学んだことをきっかけに法律の道を志し、明治大学へ。昭和12年に難関の高等文官司法科試験を受け、口述試験では不合格になりましたが、女性でただ一人筆記試験に合格し新聞各社で大々的に報道されるなど、注目を集めます。そして翌年、同じ大学の三淵嘉子さん(初の新潟家裁所長)、久米愛さん(日本婦人法律家協会長)とともに試験に合格して日本で初の女性弁護士となりました。
その後(昭和20年)、夫の実家がある鳥取に移住し、参議院議員となった夫を支えつつ、鳥取市馬場町に法律事務所を開業し、85歳まで法廷に立ち長きにわたり弁護士として活動しました。全国初の女性弁護士会(鳥取県)会長、日本弁護士連合会理事などの要職を歴任し、勲四等瑞宝章などを受章するなど、数多くの功績を残しています。
現在、NHKで放送中の朝ドラ「虎に翼」の主人公・寅子は三淵嘉子をモデルにしていますが、ドラマの中では寅子と一緒に久保田先輩と中山先輩が高等試験に合格しています。
同じ大学出身の3人が同時に合格していること、久保田先輩が前年度の筆記試験で合格しているなどの設定を考えると、久保田先輩は中田正子がモデルではないかと思われます。諸説あり真偽のほどは分かりませんが、そういう視点でドラマを楽しんではどうでしょうか。