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2024年4月26日
4月26日、鳥取県立福祉人材研修センターにおいて、鳥取県社会福祉協議会が発行する福祉の情報誌「HOT eye」の発行連絡会議があり、取材や執筆に協力いただいている方々を対象に「取材した人の魅力を伝える」と題した取材記事の書き方に関する研修会が開催されました。
講師は米子市在住の小説家・松本薫さん。「梨の花は春の雪」や「TATARA」「謀る理兵衛」など鳥取県ゆかりの人物や歴史をテーマにした小説を多く執筆されています。
講義では、人物を紹介する場合、書き出しがダラダラしていると、そこで読むのをやめてしまう。最初にその人が何をしている人なのかを短い文章で表現することが大事。
展開部分は、文の長短の組み合わせがリズムを生むことや、カギかっこのセリフは実際の言葉遣いで書くと人柄が出やすいことなど、リズムよく飽きさせずに読みやすい文章を書く手法を説明しました。
参加者からは「取材記事の書き方をわかりやすく具体的にお話しいただき、読み手に伝わる記事を書くヒントになりました。」との声が聞かれました。
最後に、「読み手に伝わる人物紹介の記事を書くためには、取材相手を好きになり興味を持つこと。その人の印象も含め情報の中から何を書けばその人らしさを伝えられるか考えることが大事。相手に興味を持って書き続けることによって自分らしい個性のある文章が書けるようになります。」と締めくくりました。
松本さんは、今年2月に日野町出身の翻訳家で文芸評論家の生田長江の生涯を扱った小説「火口に立つ。」を出版されました。
物語は、主人公の女性が同じ日野町出身で、東京に居を構えていた生田長江の家にお手伝いさんとして入り、長江やその妻、のちに名を成す作家・評論家らと交流し、自立をめざしていくというストーリーが日野町と東京を舞台に描かれています。実在する有名な作家らも多く登場する群像劇としても最後まで面白く読める本ですので、ぜひみなさんも読んでみてはいかがでしょうか。