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2021年4月14日
4月10日から16日まで鳥取市のとりぎん文化会館にて日本画あじさいの会(吉田茅穂子主宰)の40周年記念展が開催されました。今回の展示ではOBの方の作品を含め、57点の作品が展示されました。
日本画は、洋画とは違い油絵具を使わず描かれます。ベニヤの上に和紙を貼った画材に墨をはじめ、胡粉(ごふん)や岩絵具・金箔(きんぱく)などで、水と接着剤代わりの「にかわ」を練った岩彩を使って描く技法が使われています。またあじさいの会ではベニヤの上に県特産の和紙を貼りつけています。
主宰を務める吉田さんは東京で生まれ育ち、両親の出身である鳥取には休みの時に帰ってきていました。そのたびに自然の美しさに感動したそうです。大学を卒業し三菱商事株式会社東京本社に就職し激務を極めた吉田さんは、結婚を機に鳥取に移り住み、森田光達氏に師事し本格的に日本画を描き始めました。そして1980年に一緒に日本画を描いていた仲間とあじさいの会をスタートさせます。
はじまりは5,6人のグループでしたが、市展、県展などに出品するうちに仲間が増えていき、いまでは27名ほどの会員がいます。結成当時にあじさいがきれいに咲いていて、そこからあじさいの会と名付けられました。
吉田さんは日本画の楽しさについて濡れたときと乾いたときで色あいが違い、出来上がった時の驚き。また塗り重ねにより深みが生まれ作品が変わっていくところだと語っていました。
今回の記念展は7日間で600人以上の来場者がありました。口コミなどで評判が広がったようです。取材に伺ったこの日も100人程度の来場者があったそうで、あじさいの会の1期生の方に感想を尋ねると、「懐かしい思いで見ていた。このあじさいの会に参加し、日本画を学んだことで物事への観察力がついた。道端に咲いている、以前は見過ごしていたような花も見る目を変えれば愛着がわき、すばらしい自然の花だと気づくことができた」。と感慨深げでした。
吉田さんは「これまで教室を一度も休んだことはありません。自分で描いた作品は、間違いなく世界で一つの一点物であり、価値があります。会員のみなさんが日本画に取り組むことで人生の励みになり、その人生がより豊かになっていくことを願っています」と今後を語っていました。