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2020年7月06日
大伴家持大賞の出前短歌講座が今年も鳥取市の学校で始まりました。7月6日は万葉の里・国府中学校であり、生徒たちは今年のテーマ「持」にちなんだ歌づくりに挑戦しました。
大伴家持大賞は全国公募の短歌コンテストです。因幡国司で万葉集を編集したとされる大伴家持にちなんで設けられたもので、今年で26年になります。出前講座は18年前から続いており、五七五七七、31文字の短歌に親しむ子どもづくりと応募促進がねらいです。
今年の出前講座は中ノ郷・宮ノ下・用瀬小学校、国府中学校、鳥取盲学校の5校で開かれており、講師は大伴家持大賞の選者で鳥取県歌人会顧問の池本一郎さんと北尾勲さんの2人です。
このうち、国府中学校(岡田年史校長)では、1年生3クラスで短歌講座がありました。講師は池本さん。池本さんは前年の児童・生徒の部で大賞を受賞した田中優衣菜さん(国府中学校)の「6年間使った赤いランドセル 今年寄付したネパールの子に」や石川啄木の「働けど働けどなおわが暮らし 楽にならざりぢっと手を見る」などを例に、「短歌は思いのままに詠むもの」と歌づくりの楽しさや極意を伝えました。
万葉の里の生徒たちは小学生時代から短歌に親しんでおり、50分の授業時間にもかかわらず、手早く歌をつくり、池本さんに添削してもらいました。こんな秀作も誕生しました。
「宿の人コロナに負けずお持て成し 満足できて帰る人たち」
「欲しかった卒業祝いの顕微鏡 調節ねじを持つ手が震える」
おもてなしを漢字で表現して「持」のテーマをクリアする予想外の言葉遣い。さらに世界の話題を素材にしたスケールの大きな歌に、池本さんは「良い歌だ。このまま応募してください」と絶賛していました。
池本さんは「良い歌に接すると、その日一日、楽しくなります。得した気分になります。人を楽しくしたり、前向きになってもらえるような歌をたくさん作ってください」と励ましていました。
大伴家持大賞の応募は7月31日が締め切りです。お問い合わせは日本海新聞へ(☏0857-21-2885)。