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2019年7月06日
鳥取県福祉研究学会(会長・山田修平藤田学院理事長)の総会が7月6日、鳥取市の県立福祉人材研修センターであり、元南部町長で若者支援拠点「いくらの郷」所長の坂本昭文さんが、だれもが暮らしやすい地域づくりの実践研究を発表しました。
福祉研究学会は毎年2月、高齢者福祉(施設と在宅)▽児童福祉▽障がい者福祉▽地域福祉―の5分野で実践研究を発表し、優秀な研究に県知事賞(最優秀賞)と学会奨励賞(優秀賞)を贈っています。総会では受賞研究の内容発表が恒例になっており、約100人が聴講しました。
前年度の県知事賞を受賞したのは、ニートや引きこもりの若者の支援を行っている南部町の「いくらの郷」です。近年、ニートや引きこもりなどは地域課題になっていますが、南部町では町内の社会福祉法人(町社会福祉協議会、伯耆の国、祥和会)をはじめ、行政、医療法人などが連携して支援し、だれもが暮らしやすい地域づくりを目指しています。その成果が表れていることが先駆的な取り組みとして評価されました。
坂本さんによると、「いくらの郷」を訪れる若者は所内にある加工所での活動や共同作業を通じて、地域の人と交流し、コミュニケーションをとっていますが、人間関係を大事にすることが円滑な社会復帰につながっているといいます。
ただ、課題も見えてきました。坂本さんは「引きこもりを恥ずかしくないとする社会的認知が必要。引きこもりだけでなく、さまざまな課題を抱える若者もいるので、制度に捉われず、各分野の関係者が密に連携をとることが大事」と訴えていました。