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2025年6月28日
鳥取県指定史跡の都合山たたら跡ウオークが6月28日、奥日野ガイド倶楽部(代表佐々木彬夫さん)の主催でありました。
鉄鉱石に恵まれない日本では、風化した花崗岩にわずかに含まれる砂鉄を原料に、山の雑木から造る木炭を燃料として用いる、日本古来の製鉄法「たたら」が行われていました。奥日野では大正時代まで全国屈指の「たたら製鉄」産業があり、多くの人が従事し、その暮らしを支えていました。都合山がたたらの適地として選ばれたのは、風を防ぐ山の地形や燃料となるブナやこならなどの雑木の状況からこの地が選定されたそうです。200人近い人々が働き、暮らすたたらには1日約500頭の馬が荷物を運んでいました。
都合山たたら跡ウオークは、都合山たたらへの道として130年以上前に整備された道です。都合谷川沿いのなだらかな道は奥日野ガイド俱楽部と周辺に住む方々によりクマザサなどを刈り取り、2㎞余りの道程は快適なものでした。
上菅五滝や新緑を楽しみながら都合山たたら跡に到着すると佐々木さんから都合山山内(たたら製鉄に従事していた人たちが日々働き、生活していた地区の総称)の説明がありました。中心施設である高殿、大鍛冶場、鉄池、砂鉄洗場など、現在は植林され杉林となっていますが、下草はきれいに刈られ、それぞれに表示もありました。これらの施設跡を目前に佐々木さんの説明を伺っていると当時の繁栄と苦労がよみがえるようです。参加者からは「たたらに興味があり参加、理解が深まった」「漠然とした知識が、説明のおかげて形になった」「途中の小川を渡るとき足を滑らせて右足が水中に。でも、気持ちよかった」などの感想がありました。
倶楽部の方に目的地まで運んでいただいたアイスコーヒーとどら焼きのおいしかったこと。明治期のたたら製鉄場を思い浮かべながらいただきました。
写真の説明:一枚目はたたら製鉄場の中心施設「炉」に入り説明する佐々木さんです。