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佐治漆の艶をご堪能あれ   漆職人橋谷田岩男さん

2024年9月01日

 漆職人橋谷田岩男氏の個展「橋谷田岩男作品展 漆への道」が8月31日から9月16日まで、鳥取県智頭町の国指定重要文化財石谷家住宅で開催されています。
 橋谷田さんは福島県会津若松市で生まれ塗りの技術を京都で習い、1993年から鳥取で「漆の館 會州堂」を構えています(鳥取市内から智頭町に移転)。佐治は昭和30年代まで鳥取県第一の漆生産地でしたが、昭和40年を境に衰退していきました。現在は国内で使用する漆の僅か2パーセントが国内産という状況です。2016年に佐治漆研究会(体表谷口輝男さん)を立ち上げ、漆の森の造成・拡大、漆掻き・漆塗り体験等、佐治漆の復興に取り組んでいます。
 作品展には棗(なつめ)、合鹿椀(ごうろくわん)、丸盆、汁椀、箸など約70点が出品され、いずれも佐治産の漆が使用されています。幻の漆「佐治漆」で仕上げた器の艶は美しく輝いています。
 漆皮(しっぴ)の角皿は、鹿の皮に布張りして地付け、錆付けをして漆を重ねて塗り、金蒔きを施したものです。害獣である鹿の肉はジビエ料理として活用されていますが、この作品は若桜町で捕獲された鹿の皮を使用しているそうです。
 藍春慶塗りの弁当箱は、智頭産の杉をちずぶるー(智頭町で藍の趣旨から育て作った天然染料、澄んだ藍色が特徴)で染めて塗りあげたもので群青色の深みのある弁当箱に仕上がっています。智頭と佐治、地元の素材で仕上げた逸品です。
 作品はどれも美しく見とれるばかりです。橋谷田さんの作品とお話で、あなたも漆の魅力に引き込まれること間違いありません。

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