とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」
0857-59-6336
お問合せ お気に入り

HOME活動紹介

「気をもらっている」水彩画を楽しむ人たち   アトリエ小学校

2023年12月06日

 鳥取市国府町の旧成器小学校に平成14年、「アトリエ小学校」が開校し、児童(シニアの方々)たちが絵画製作を楽しんでいます。校長先生(代表)は福田典高さん、成器小学校卒業生で高校卒業後に上京し活動していましたが、記憶がしみ込んでいる木造校舎は残さなければと思い帰郷し、アトリエとして活用することになりました。
 アトリエ小学校はアトリエ(工房)のほか小さな美術館でもあります。教室には絵画教室の方々の作品が展示されているほか、福田さんの長年の作品が所狭しと展示されています。中学生のときに描いた漫画もあります。展示数は「分からない」とのこと。“一見の価値あり”です。
 開校から20年、絵画教室で学ぶ方々は20年のキャリアを積みました。仏像のデッサンに取り組む男性は顔の表情の描き方に困り福田さんに相談すると「口は難しい、表情は口元で決まる」「この仏像は色気がある」などと話しながら鉛筆を走らせます。
 草原を描く女性は、単調になってしまうのに困ると「色を重ねながら、筆遣いを変えて変化をつける。規則正しくしないこと」などアドバイスをもらいます。福田さんが鉛筆や筆を持つとみなさんは集まり注目していました。真剣そのものです。
 今年4月から通う男性は竹林に取り組んでいました。「絵画は創作ですが、やはり本物を知ることが大事、何度も竹林に通っています」と話していました。
 約2時間の製作がひと段落するとコーヒータイムで話しが弾みます。「健康の秘訣は散歩、絵にする材料を探しながら歩いています」「一度の人生、なんでもやってみなあ」「ここには気をもらいに来ている」など途切れることはありません。
 福田さんは「楽しむことが大事です。うまい必要はない」と言います。みなさんは、自らの作品を年賀状にしたり記録のため絵葉書にしたりと、それぞれの仕方で楽しんでいらっしゃいます。「継続は力なり」を実感しました。(12月6日、アトリエ小学校で取材)
 写真の説明:絵画教室の様子、最後の写真は今年4月から6月に因幡万葉歴史館で開催された福田さんの個展「水と創造-福田典高の画業70年」で来場者に説明する福田さんです。

一覧に戻る