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佐治漆の復興を目指して   佐治漆研究会

2023年11月20日

 鳥取市佐治町西佐治会館で11月18日、佐治漆植林体験・管理体験学習会がありました。かつて佐治町は日本を代表する漆の産地で、質の良い漆ができる地域として知られていました。明治期以降も漆栽培は続きましたが、戦後、漆産業は次第に衰退し、昭和40年代には完全に消滅してしまったそうです。
 平成28年、この伝統ある佐治漆を再び興そうと有志が集まり佐治漆研究会(会長谷口輝男さん)が立ち上げられ、令和3年には「佐治漆の森」ができ約100本の漆が育てられています。
 「佐治漆植林体験・管理体験学習会」には、佐治の人たちを中心に約20名が参加、小中学生7名も参加しました。学習会では佐治町加茂地内に整備した「佐治漆の森Ⅱ」に2年物の苗木4本を植樹しました。また、鹿による枝葉の食害や剥皮被害をを防ぐため防獣柵を設置しました。子ども達からは「漆の木の大切さが分かった」「めちゃくちゃ大きく育って欲しいな」との声が聞かれ、漆への愛着が高まったようでした。
 「佐治漆の森Ⅱは、これから周りの畑や果樹園なども漆の森Ⅱとして広げていく」計画があります。漆液の採取には10年以上の生育が必要で、みなさんは地域の人たちと協力しながら進展させていかれるそうです。
 国内で漆器製造や建築塗装等に使用される漆の98%は中国産で、日本産はわずか2%です。日本産は中国産に比べて耐久性が2倍以上と優れており、文化財の修繕の際には日本産の使用が推奨されていますが、全く足りない状況です。佐治漆の会は樹液のブランド化を行い、佐治漆の生産、漆器生産を通して漆の里づくりを目指し、また、日本文化の維持にも寄与できるよう活動を続けています。

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