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日本人の心のふるさと「民話」   倉吉民話の会

2023年8月12日

 鳥取県倉吉市立図書館で8月12日、むかし話を聞く会がありました。お話は倉吉民話の会(会長 伊佐田品子さん)のみなさんです。民話は民衆の生活の中から生まれ、民衆により口伝えで伝承されてきた説話です。子どもの頃におばあさんにお話ししてもらったことを懐かしく思い出される方もいらっしゃると思います。
 この日は5名のみなさんがお話しされました。まず、友森智恵子さんが「大釜と盗賊」-大釜を盗まれることが心配でその中で寝ることにしたが気づかずに盗み出される。盗賊は釜の中から手が出てきてびっくりするお話です。
 次は伊佐田会長の「天神川のカッパ」-丹精込めてつくっている野菜が盗まれる。犯人を捕まえてみたら子どものカッパです。お仕置きをするが毎晩泣き続け、「今後いたずらはしない」と約束させ許してやるお話です。北村仁美さんは「星女房」-羽衣をまとい地上におりた天女は貧しい家で働き始め、いつしか家主の男と夫婦になり子どもをもうける。ある日のことななつ星の一つがなくなっていることに気づき女房に言うと、もうここにいることはできないと子どもを連れて天に帰っていく悲しいお話です。
 八島史郎さんは「あめかい女」-毎晩のように飴屋の戸をたたき、飴を買いに来る白装束の女。ある夜、こっそり後をつけて行きお寺に入ると赤ん坊の泣き声がする。墓を掘り起こすと冷たい母親と泣きじゃくる赤ん坊。住職がその赤ん坊を大切に育てたお話です。
 土井吉人さんは「東伯耆の打吹天女」-天女の羽衣が欲しくなった男は、体を洗っている隙に持ち帰ってします。行き場のない天女は近くの家に身を寄せ、いつしか夫婦になり子どもをもうける。ところが羽衣を盗んだのがその男と分かり天に帰っていく。残された子ども達は母が好きだった音楽をかなでます。太鼓を打ち、笛を吹いて。
 土井さんは93歳です。半世紀前の方言のまま話す地元の民話を聞いていると、懐かしさで胸がいっぱいになりました。
 小学生の女の子は、どのお話も熱心に聞き入っていました。おひとりで参加された男性はうれしそうに微笑みながら聞いていました。日本の伝統文化である民話には、いつの時代も心に染みるなにかがあると感じました。
 写真の説明:倉吉民話の会のみなさん、前列右が伊佐田さん、左が北村さん。後列右から土井さん、八島さん、友森さん。

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