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水田用除草機 世界に広がる中井太一郎の願い   小鴨地区振興協議会太一車研究委員会

2023年6月29日

 明治25年、今から約130年前に特許を取得した技術が現在も世界で活躍しています。天保元年(1830)に鳥取県倉吉市小鴨地区で生まれた中井太一郎は、稲作の生産性を上げるために苗を等間隔に植える「正条植え」を考案し、そのための器具「田植定規」を制作し普及に努めました。また、米作り農家の重労働である雑草取りを克服するため「太一車(回転式中耕除草機)」を開発し明治25年に特許登録されています。この功績を後世に語り継ごうと小鴨地区振興協議会は「太一車研究委員会(代表北村隆雄さん)」を設立、講演活動や書籍の出版等を行っています。
 このたび、国際協力機構(JICA)が国際支援として「ウガンダ国コメ振興プロジェクト」により中耕除草機(米子市 太昭農工機株式会社製造)を送ることになり、太一車発祥の地である小鴨地区で除草の様子を写真や動画等に記録し、啓発に努めることになりました。
 6月29日、小鴨地区内の圃場であった除草作業には小鴨地区の方々のほかに中四国農政局鳥取拠点、倉吉農業改良普及所、倉吉市からの参加がありましたが、昭和30年代に農薬による除草が主流となり「はじめて見る」方がほとんどです。また、水田用草取機を製造して100年の歴史がある太昭農工機株式会社から松下愛治さんも参加しました。
 まずは動力を使わない「一丁押、二丁押」の実演では、「軽くて使いやすいことが大切です」と松下さんが言うとおり稲の間を除草機が流れる様に進み雑草の根を浮き上がらせていきます。除草された草は圃場内の水の循環で洗い流されます。
 松下さんが実演された動力除草機も操作性は抜群で除草効率が格段にアップするのを実感しました。「きれいに除草できる」「農薬を使わず、人力で除草できることは時代にマッチ」など、初めて見る情景に驚いていました。
 除草終了後には小鴨コミュニティーセンターに移動し、星空舞のおにぎりを“こばしま”にいただきました。小鴨地区食生活改善推進員のみなさんの真心のこもったおいしいおにぎりでした。
 130年前に中井太一郎が改良し特許を取得した中耕除草機は時代に合わて改良され、無農薬、有機農法の米作りに貢献しており、ウガンダでのプロジェクトのように海外でも活躍しています。今の時代のニーズに合う農法だと実感しました。

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