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伯耆守山上憶良を実証的かつ大胆に推測する   山上憶良の会

2023年6月18日

 鳥取県倉吉市社コミュニティセンターで6月18日、山上憶良の会(会長福井伸一郎さん)主催の講演会「伯耆守 憶良」がありました。社地区は万葉歌人の山上憶良が伯耆守として赴任した地です。
 講師は尾上貴尉さん、創作演劇「憶良の翼」の脚本を書き憶良を演じた方です。尾上さんは万葉集、日本書紀、続日本紀等に精通され、アマチュア演劇グループ劇創西社OHKUSの主宰者でもあります。
 2016年、山上憶良伯耆守赴任1300年記念事業として創作演劇「憶良の翼・伝~新しき年~」を公演することになり、伯耆守として記録が乏しいなかで続日本紀等の記述をもとに伯耆国の山上憶良を実証的かつ大胆に推測しています。
 その1 養老元年(717)元正天皇が美濃国に行幸、伯耆より行在所を訪れ歌や舞を披露とあり、憶良が上奏者を引率した可能性が極めて高いと推測しています。 その2 養老3年に貴族や官人は笏(しゃく)を持つよう命令が出たのは伯耆守時代のため、「憶良の翼」の最初のほうは笏を持たず後半に持たせているそうです。 その3 地方行政を監督する按察使(あぜち)が伯耆国庁を監察に訪れているが物語には悪役・敵役が必要で、続日本紀にはこの按察使が悪行を働いたと記されていることから登場させたそうです。
 また憶良の代表歌「貧窮問答歌」を詠んだのは伯耆守を終え、筑前守の任期後のことだが「風交り 雨降る夜の 雨交り 雪降る夜は すべもなく」とあるのは、伯耆守時代の国司巡察の経験が反映されている可能性が高いことなどを話しました。集まった社地区の人たちは興味深そうに尾上さんのお話に聞き入っていました。
 なお、山上憶良の会会長の福井さんが「因幡の家持 伯耆の憶良~千三百年の時空を超えて~」(令和3年9月、山本印刷)を発刊されており、鳥取に赴任した二人の万葉歌人のことをまとめられています。
 写真の説明:尾上貴尉さん、講演会の様子、講演資料の一部、「因幡の家持 伯耆の憶良~千三百年の時空を超えて~」(令和3年9月、山本印刷)

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