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山陰最大の戦災「玉栄丸の爆発」を学ぶ   根平雄一郎さん

2021年4月12日

 根平雄一郎さん(境港歴史研究会代表)が「陸軍徴用船『玉栄丸』の爆発について」というテーマで4月12日に境港市立境小学校6年生総合的な学習の授業を行いました。
 児童は事前学習を行い、根平さんが語る第二次世界大戦末期に起こった地元での事件について真剣な眼差しで聞き入っていました。
1945年4月23日、境港大正町岸壁に停泊していた玉栄丸(たまえまる)は火薬、生ゴム、プロペラ等を運搬していましたが、火薬を積載していることは軍事機密とされ、倉庫に荷揚げする人たちには知らされていませんでした。このことが悲劇を生みます。
 火災の原因は軍人のたばこのポイ捨てのようですが、港で起きた火災の消火活動のために境港の多くの人たちが集まっていたところ、岸壁倉庫の火薬に引火。この爆発により4百人を超える死傷者、まちの三分の一が爆風、火災により破壊されました。
 火薬の存在が知られていれば、たばこのポイ捨てはしなかったでしょうし、多くの人たちが集まることにも注意が払われていたと思います。残念でなりません。
 根平さんは40年前に聞き取った被害者の証言も紹介しました。父親が探し出されたが「あまりにもむごい死体だったので、みんなが私に『見せるな、見せるな』と言っていました。」や「火柱は向こう山より高く、よく漫画に出てくるように、人間などが空に舞い上がって、全くあれと同じでした。」など壮絶な戦災状況が伝わってきます。
 多くの被災写真も紹介されましたが、当時の人たちに写真を見せても変わり果てた惨状に場所がわからない人が多かったそうです。
 児童たちは地元で起こった悲惨な事件を身近に感じたようで真剣にメモを取り、根平さんの講義に聞き入っていました。きっと境港の忘れてはならない歴史を脳裏に焼き付け語り継いでくれると思います。
 なお、昨年6月に「た・ま・え・ま・る ~山陰最大の戦災 75年目の真実~」が小さな今井から出版されています。記録写真も豊富で後世へ伝えるべき貴重な資料です。

根平雄一郎さん

昨年出版された「た・ま・え・ま・る」

授業風景

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