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フィルムカメラは奥深い     鳥取まちゼミ・ヤマガタカメラ

2020年11月22日

 昔、何万円もしていたカメラが、店頭のかごに山積みして100円や300円で売られています。鳥取市・若桜街道商店街のヤマガタカメラ店(山縣勇太郎社長)。量販店を除けば、市内で唯一のフィルムカメラや関連用品を扱うお店です。今年もフィルムカメラ撮影体験会を開きました。
 ヤマガタカメラ店は明治33年の創業です。祖父の長太郎さんが大工町頭にスタジオを開いたのが始まりです。立川町に移り、鳥取40連隊や出征兵士の記念写真を撮り、鳥取周辺の観光絵はがきなども作ってきたといいます。戦後、若桜街道に出て、カメラ販売に業態を変えました。鳥取大火ですべてを失ったものの、カメラの大衆化で業績拡大。3代目社長の勇太郎さんは「フィルム現像だけでも、やっていけました」。
 ところが、平成時代になると、カメラのデジタル化が進みます。デジカメは小型化、自動化が当たり前です。撮ったその場で、写真の出来栄えが確認できるうえに、現像も不要です。チップさえ替えれば、写真は何枚でも保存できるとあって、たちまちカメラの主流になりました。
 勇太郎さんによると、日本のカメラメーカーで黒字経営が続いているのは1社くらいで、フィルム製造を含めてカメラ業界はどこも規模縮小が続いているそうです。カメラを売る店やフィルムを現像する店、ほとんどが姿を消しました。
 そんなカメラ事情ですが、こだわる人はどこにでもいるものです。とくにフィルムカメラは絞りやシャッタースピードやフィルム感度などが出来、不出来を左右するだけに、経験や勘はもちろん、センスも問われます。「いいカメラは人生を変える」と言われるごとく、フィルムカメラには根強いファンがいます。そこに目をつけた勇太郎さんは、3年前からまちゼミでフィルムカメラの撮影会を開いています。
 11月22日の体験会には、写真が趣味の市内のご夫婦が二眼レフを体験しました。左右が逆に映るファインダーをのぞいて、ピント合わせや構図決めに苦労しましたが、秋晴れの真教寺公園で無心にシャッターを切っていました。二眼レフ初体験の奥様は「フィルムカメラは奥が深いですね」と満足そうでした。

山縣勇太郎さん

参加者は袋川周辺で二眼レフを体験

山縣写真館発行の絵はがき(智頭橋)

カメラのヤマガタ

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