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古代人が愛したガラス玉     石井博文さん

2020年11月01日

 鳥取市の青谷上寺地遺跡展示館で11月1日、古代の宝石・ガラス玉づくりの体験会がありました。10人余りの女性が参加し、マーブル玉や泡玉をつくって、ストラップやアクセサリーにしました。同展示館では、さまざまなものづくり体験会を開いています。
 青谷上寺地遺跡は人の脳や人骨、卜骨、鉄器、木工品、玉類などが多彩に出土し、「弥生の地下博物館」と言われています。ここで出土した人骨を使って、日本人の起源を探る遺伝子調査が進んでいるほか、高度な技術で作られた高坏なども多く出土しており、ものづくりが盛んな古代の交易・交流拠点だったとされています。
 鳥取県の「弥生の王国」ホームページによると、2016年の調査で青谷上寺地遺跡から緑色凝灰岩製の管玉(くだたま)や水晶製の算盤玉(そろばんだま)とともに、ガラス玉の勾玉(まがたま)、管玉、小玉、作りかけのものが見つかっています。これらの玉類は有力者の墓から見つかるのが普通ですが、集落跡から出土するのは珍しいそうです。
 また、弥生時代の日本列島にはガラスそのものを作る技術はなく、中国大陸や朝鮮半島などを経てもたらされたガラスを溶かして玉などに加工していたといいます。素材を高温で溶かし、鋳型に流し込む加工法は青銅器づくりにも通じる技術で、青谷上寺地遺跡にはガラス玉や青銅器をつくる工房があったと推定しています。
 これにちなんでのガラス玉づくり体験会です。先生は市内の手づくりガラス工房Glass works negy代表の石井博文さん(鳥取ものづくり道場)。鳥取ブルーガラスを使ったピアスやイヤリングを販売しているほか、ガラス細工やステンドグラスづくりなどを指導しています。
 この日は800度のガスバーナーでガラス棒を溶かして丸め、そこに別のガラスを溶かして模様をつけるマーブル玉、さらに重曹の粉をまぶす泡玉づくりを指導しました。それぞれ製作時間は冷やす時間も含めて1時間ほど。参加者は色とりどりのきれいなガラス玉にチェーンを通してペンダントなどに仕上げていきました。河原町から参加した主婦は「私だけのお宝がつくれるので楽しいですよ。次の機会も参加します」と話していました。

石井博文さん

ガラス玉づくり

こんなオンリーワンのお宝がつくれます

青谷上寺地遺跡から出土したガラス玉。右端のものは作りかけのガラスの塊(鳥取県のホームページから)

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