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万葉の里に「令和」の風が吹く     万葉集朗唱の会・池本一郎さん・北尾勲さんほか 

2019年10月20日

 鳥取市国府町の因幡万葉歴史館で10月20日、万葉フェスティバルがあり、万葉衣装を着飾ったみなさんが万葉集の朗唱や曲水の宴などを楽しみました。前日には大伴家持大賞の表彰式もあり、万葉の里は新時代「令和」で勢いづいています。
 因幡万葉歴史館ができたのは平成6年(1994年)。日本最古の歌集・万葉集を編集したとされる因幡国守・大伴家持を顕彰するために設けたものです。家持は因幡国庁の旧正月の宴で「新しき年のはじめの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事」と詠み、万葉集の最後の歌に収めました。その歌碑も設けられ、国府町は地域をあげて「万葉のふるさと」として売り出しています。
 歴史館開館とともに始めたのが、和歌・短歌ファンを対象にした大伴家持大賞の公募。25回目の今年は全国から4,072首が集まり、児童生徒の部は「6年間使った赤いランドセル 今年寄付したネパールの子に」(鳥取市・田中優衣菜さん)、一般は「赤丸に『父』と書かれたカレンダー 娘を訪ねた雪の山形」(沖縄県・森山高史さん)が大賞に選ばれました。
 県歌人会顧問の北尾勲さんや池本一郎さんらが審査し、表彰式で「これからも社会性のある歌づくりを」「涙なしには詠めないいい歌です」とそれぞれ講評し、励ましました。
 今年22回目の万葉フェスティバルは、万葉集の朗唱がメーンイベント。町内の保育園児や小中学生、大人も全員が色鮮やかな万葉衣装を着飾ってステージに登壇。およそ200人が3時間にわたって万葉集(4,516首)のうちの家持の歌(473首)を詠みつなぎました。歌に合わせて踊ったり、オリジナル曲に乗せて朗詠したり、歌の背景を解説したり、それぞれ創意工夫しながらリレーしました。
 国府文化協会のみなさんは、鳥取市少年少女合唱団指揮者の尾崎直美さん作曲の「万葉抒情」で2首を披露しました。「五七五七七の31文字、どんな歌にも合わせられます」と尾崎さん。町内の公民館職員グループも、澤田勝さん(サックス奏者)作曲のメロディーをハーモニカで演奏し、6首を詠みあげました。フィナーレは万葉集朗唱の会の田中道春会長らのリードで、万葉集最後の歌「祝い歌」(新井満さん作曲)を参加者全員で朗唱しました。
 田中会長はあいさつで「新元号が万葉集から採用され、万葉集が身近になりました。万葉のふるさと国府には多くのファンが訪れ、ますます盛り上がっています。しっかりおもてなしをしていきます」と。万葉の里に令和の追い風が吹いています。

池本一郎さん

曲水の宴でできた歌を講評する北尾勲さん(右端)

万葉集朗唱の会長の田中道春さん(左から2人目)

上の句を歌いつなぐ曲水の宴(万葉歴史館の庭で)

ちびっ子たちも家持の歌を朗唱

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