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悠久の大山さん             清末忠人さん

2018年12月22日

 大山開山1300年にちなむ「大山講座」が12月22日、米子市の日本海新聞西部本社であり、自然に親しむ会の清末忠人会長が大山の豊かな自然を守り続けていきましょうと呼びかけました。110人が聴講しました。
 「大山講座」は大山の魅力を発信する人づくりが目的です。大山開山1300年祭実行委員会と日本海新聞、鳥取県社会福祉協議会のシニアバンク「生涯現役」が共催しているもので、2017年1月から大山とその周辺の歴史や自然、文化などをテーマに続いており、開山1301年目となる2019年も「大山さんのおかげ」を引き続き学んでいくことにしています。
 今回の講座は「大山の豊かな自然とその魅力」がテーマ。講師は60年余り大山の生物などを見守り続けてきた清末さんです。清末さんは「冬の大山」から悠久の歴史を感じ、作った詩と写真を紹介して話を始めました(詩・写真は別掲)。
 それによると、大山は明治半ばまで神宿る山として一般の入山を遠ざけ、孤立峰であるため氷河期の生物が分布しており、昆虫や野鳥の宝庫です。山頂近くには日本最大規模のキャラボク群落があり、1936年(昭和11年)には日本海側で最初の国立公園に指定されました。海抜900~1200mにはブナの純林が広がり、秋にはその紅葉の樹海が大山の景観を盛り立てています。
 ただ、大山隠岐国立公園の大半は民有地です。宅地開発やゴルフ場、道路などが次々にできて帰化植物がはびこり、動植物の個体数も著しく減っています。1972年(昭和47年)の日本列島改造ブームの時には、東大山有料道路の建設計画が持ち上がり、大山の自然を守る会(初代会長・石沢正一鳥取大医学部教授)が「子孫のために自然を残せ」と反対運動を展開。その時の環境庁長官が現地視察のうえ、反対運動に署名をして計画断念したそうです。大山の自然を守る会は崩壊が進む大山山頂に「一木一石」を持ち上げる運動を続けています。
 講演のなかで清末さんは、NHKと一緒に制作したテレビ番組「大山の自然のアルバム」(1975年、昭和50年)のなかから、カタツムリ「ダイセンニシキマイマイ」の産卵シーンやアリと同棲するチョウ「キマダラルリツバメ」の貴重な映像を紹介し、「大山の自然や魅力を守っていくのは私たちの使命です」と訴えました。

 ※写真上:清末忠人さん
 

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