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無名だった鳥取砂丘           小山富見男さん

2018年11月25日

 戦前の地理の教科書や地図帳で話題提供する「歴史地図をめぐる冒険」が11月25日、鳥取市歴史博物館近くのおうちだにグランドアパートであり、約30人が戦前の日本や鳥取県について考えました。県史編さん委員の有志が企画したもので、現代部会長の小山富見男さんがリードしました。鳥取県社会福祉協議会・シニアバンク「生涯現役」共催。
 企画のきっかけになったのは、鳥取市西町の上田勝俊さんのコレクション。上田さんの父、故・博愛さん(元鳥取大学農学部長)が陸軍中尉だったころに集めた明治時代から戦前の地図帳など25点余りで、現代とは異なる視点や表記の地図を多くの市民に見てもらいながら、戦前の国際情勢などを一緒に考えようと、地図で遊ぶ「冒険」を試みることにしたものです。
 リーダーの小山さんが話題を提供し、県史編さん委員の岩佐武彦さん、石田敏紀さん、佐々木孝文さん、西村芳将さんが話を広げ、深掘りし、これに市民も質問で参加して冒険心・探求心をかきたてました。
 取り上げられたのは明治34年の「大日本帝国新地図」(近藤堅三編纂)。日清戦争後の地図。戦争で清から割譲した遼東半島を三国干渉で返還したいきさつもあって、そのエリアを「大日本旧占領地」とするなど、日本の無念さを地図に表しています。また、日清戦争では台湾を割譲しましたが、台湾の玉山(3952m)が富士山(3776m)を抜いて日本一の山になり、新たな最高峰誕生というわけで「新高山」と呼ぶようになりました。日米開戦の暗号文「ニイタカヤマノボレ」の山です。
 この新高山をトップに地図には日本の山々の高山表が尺表示で掲載されています。我が鳥取県の大山も6千尺~5千尺の間に位置しています。ただ、どうしたことか、アルプス1万尺の歌に登場する「槍ヶ岳」が不掲載です。トークセッションは「アルプス1万尺 小槍の上で アルペン踊りを さあ 踊りましょ」とふくらみ、山男たちが作った歌詞は槍ヶ岳―穂高―上高地まで29番まであるそうだなどと深掘りしました。
 次いで紹介されたのは大正7年の地理の教科書「帝国地理」(帝国書院)。日露戦争勝利で領土拡大したこともあって、国土の広さは8強国中第4位と意気高らかです。農水産物や鉱物など地域産物の生産高はわかりやすいイラストで表記され、しっかり国威発揚しています。しかし、鳥取県紹介のスペースは他県に比べて少なく、大山のすそ野で牧牛・牧馬が盛んなどとある程度で、鳥取砂丘は全く触れられていません。このころは軍事は地理の範ちゅうで、教科書には兵役年数や師団司令部の所在地なども掲載されています。
 リーダーの小山さんは「日本の近現代がいろいろ見えてくる歴史地理の冒険を今後も続けましょう」と話していました。

 ※写真上:小山富見男さん

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