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古代の里に雅楽流れる          鳥取雅友会

2018年11月10日

 鳥取市の国史跡・青谷上寺地遺跡の保存活用策を検討している協議会(鳥取県・鳥取市などで構成、久野浩太郎会長)は11月10日夕、青谷町総合支所ホールで「青谷の古代に親しむ・雅楽のゆうべ」を開き、およそ100人が鳥取雅友会の雅楽を楽しみました。
 青谷上寺地遺跡は入り海に面した港湾集落遺跡で、2000年ほど前の弥生時代に存在したといわれています。弥生人の脳をはじめ、精巧な木製品や鉄器、戦いで傷ついた「殺傷痕人骨」など出土品は多種多彩で、当時の暮らしぶりをうかがわせることから、「地下の弥生博物館」とも呼ばれています。とくに人骨群の遺伝子分析で日本列島人の成り立ちなどの研究が続いており、大きな期待が寄せられている遺跡です。
 また、近年は近くの青谷横木遺跡から古代山陰道が見つかり、そこから出土した板に国内2例目の「女子群像」が描かれていたことや全国初の柳の街路樹も発見されるなど、こちらも飛鳥時代から平安時代を代表する遺跡として注目されています。
 その「女子群像」板絵は6人の女性が行列しているもので、唐や高句麗の墓室に描かれたものと似ており、県埋蔵文化財センターは葬送儀礼に関連している可能性があり、青谷の地に渡来系豪族がいたのではないかと推測しています。
 そんな古代の里で雅楽のゆうべが開かれました。心を揺さぶる「音」はいつの時代でも祈りや祭祀、人々の暮らしに欠かせません。青谷上寺地遺跡でも小さな箱形の「琴」や「土笛」などが出土しています。雅楽は453年の允恭天皇崩御の際、中国から入り、日本古来の音楽と融合して平安時代に完成したといわれており、千数百年続いています。古代の里・青谷にふさわしい伝統音楽といえます。
 雅楽は鳥取雅友会(森川道弘代表)の12人が、結婚式などでおなじみの「越天楽」はじめ、声楽の催馬楽(さいばら)「更衣」、舞楽「陵王」など5曲を次々と演奏し、舞いました。観客は古式ゆかしい音楽を堪能するとともに、青谷の悠久の歴史に思いをはせていました。

 ※写真上:鳥取雅友会・森川道弘代表(左)

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