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高校教育の教材になりそう         「三愛のクニへ」研究会

2018年10月11日

 鳥取市の高齢者大学・尚徳大学は9月7日と10月11日の2日間、市文化ホールで合同学習を開き、鳥取発の歴史大河ドラマ候補になっている「三愛のクニへ」のあらましを学びました。講師は同研究会代表の片山長生さん。延べ500人が聴講しました。
 「三愛のクニへ」は岩美町出身の外交官・沢田節蔵、廉三兄弟とその妻・美喜が、満州事変(1931年)、太平洋戦争(1941~1945年)、国際連合復帰(1956年)など日本波乱のなかで活躍する物語です。
片山さんによると、3人を貫いていたのは「家族愛」「祖国愛」「人類愛」だったといいます。
 節蔵は満州事変の時の日本の国際連盟事務局長。国際社会に事変不拡大の方針を伝え、日本に「世界の孤児になるな」と訴えましたが、上層部や軍部に押し切られます。関東軍は資源豊かな満州国で「王道楽土」づくりを描き、リットン調査団の〝間接統治〟の打診を無視して侵略を拡大、ひたすら戦争の道を突き進んでいきます。片山さんは「リットンの提案を飲んでいれば、日本は戦争をしなくて済み、豊かな国になっていた。軍部をあおった国民にも責めがある」と解説しました。
 廉三は皇太子の秘書や外務省の要職を歴任し、太平洋戦争中は外務次官。戦後は全権大使として日本の国連加盟に尽くします。片山さんによると、廉三は小さいころから郷土愛が強く、「浦富をどうするか」と絶えず考えていたそうで、「愛国は愛郷より」を実践しました。
 三菱財閥創業者の孫娘・美喜は戦後、神奈川県にエリザベス・サンダース・ホームをつくり、占領軍(GHQ)がいやがる混血孤児救済を進めます。養育した孤児はおよそ2千人。廉三の別荘がある岩美町牧谷の熊井浜もその拠点になりました。
 片山さんは3人の物語を写真でわかりやすく説明しましたが、世界史と日本史の授業を同時に受けているようで新鮮でした。まさに文科省が高校教育に2022年から導入を予定している近現代を学ぶ「歴史総合」を先取りしたようなもので、「三愛のクニへ」は大河ドラマにとどまらず、副読本としても活用できそうで、鳥取発の教材が誕生するかもしれません。
 片山さんは鳥取市役所移転後の跡地利用にも触れました。「高齢者大学、放送大学、鳥取大学、環境大学のサテライトが集まり、老若男女が学び合いする拠点ができれば、人が集まり、県都が活性化し、三愛のクニの実現に近づくのではないでしょうか」と。市民の議論が待たれます。

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