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指スヤ都 見シヤ茲ヲ         木谷清人さん

2018年8月07日

 鳥取大学で9月13日から公開講座「『民藝』という美学」が開かれますが、その予習を兼ねて鳥取市の高齢者大学・尚徳大学で鳥取民藝美術館常務理事の木谷清人さんが「吉田璋也と鳥取の民藝」について講演しました。このなかで木谷さんは「指スヤ都 見シヤ茲(ここ)ヲ」という言葉を紹介しました。
 吉田璋也(1898~1972年)は鳥取市の名誉市民。生涯現役の医者で「民藝のプロデューサー」を自認していました。
 医者のかたわら、生活に使う食器や家具はじめ、木工、金工、竹工、染織、和紙などを自らデザイン。それをつくる工人集団を組織し、その民藝品を流通・販売する「たくみ工芸店」を鳥取と東京・銀座に開き、民藝運動の普及と市民教育のための鳥取民藝美術館をつくりました。併せて民藝の器で郷土料理を提供する「たくみ割烹店」もつくりました。しゃぶしゃぶの元祖「すすぎ鍋」が食べられることでも有名です。これらの工芸店、美術館、割烹店、医院跡は鳥取駅前の民藝館通りにあります。
 また、吉田璋也は文化財保護にも熱心でした。教育者・川上貞夫らと鳥取文化財協会をつくり、鳥取砂丘の天然記念物指定、鳥取城跡の史跡指定、仁風閣の重要文化財指定、湖山池の自然と景観の保護などを進めました。湖山池の丘上には八角窓の阿弥陀堂を建築、そのデザイン力を発揮しています。
 木谷さんは講演で民藝とは何か、吉田璋也の民藝運動とその歴史などを解説、説明したうえで、近年は若者を中心に民藝再評価の動きが広がっていることも報告しました。相次ぐ地震や風水害などのせいか、当たり前の暮らしや個性ある地域へのあこがれが再評価の背景にあるのかもしれません。
 木谷さんは言います。「民藝のすばらしさを提唱した柳宗悦は『指スヤ都 見シヤ茲ヲ』と唱えました。悟りや極楽浄土や幸せは旅に出てもつかめない。それらは自らの心の中にあるからです。鳥取に停車するJR西日本のトワイライトエキスプレス瑞風は、立ち寄り先に鳥取民藝美術館と仁風閣と鳥取砂丘を選びました。いずれも吉田璋也が保存運動などでがんばったところです。鳥取にも最高のVIPをおもてなしするところはあります。何もないというのは、もうやめましょう」と。
 鳥取大学の公開講座は16日まで4日間(全15講)。受講を希望する人は☎0857-31-5054へ。

 ※写真上:「吉田璋也と鳥取の民藝」を語る木谷清人さん

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