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関金もたたらの里         中部ものづくり道場

2018年8月25日

 関金や三朝など東伯耆も奥日野と並んで「たたら製鉄の里」だったことが知られていますが、倉吉市と中部ものづくり道場は大山開山1300年祭にちなんで、原料集めからナイフづくりまで行う「ミニたたらワークショップ」を開いています。8月25日にあったたたら操業をのぞきました。
 ミニたたらワークショップは昨年の関金温泉開湯1300年祭で発案されたもので、かつて関金地区16カ所で操業していたたたら製鉄を再現し、観光資源としての可能性を探ろうと計画されました。
 作業は6月から始まり、関金町小泉の清流遊YOU村で炭づくりを行い、ナラ材などから170kgの炭をつくりました。次は砂鉄集め。北栄町のキャンプ場で水力で砂鉄と砂を分離し、磁石で40kgほどの砂鉄を集めました。四国・高知の鉄づくり工房からプロパンガス容器を組み立ててつくった炉(高さ1.6m、内径36cm)を取り寄せ、いよいよ鉄づくりです。たたら操業は関金町堀のやまもり温泉キャンプ場であり、県内外から17人が集まりました。
 一連の作業を指導したのは中部ものづくり道場の岡本尚機代表はじめ、福田愛治さん、石原永伯さんの3人。
 炉に粘土を塗り、朝8時に火入れです。炉の温度が1300度に上がった昼過ぎから5分おきに炭、砂鉄それぞれ1kgを投入。ポンプで風を送り続け、午後4時前に炉の吹き出し口から溶岩状になったノロが流れ出しました。鉄ができた証です。参加者から大きな拍手が起こりました。使った炭は24kg、砂鉄は22kg。汗を出し切った岡本代表はホッとした表情で「7~8kgの鉄ができていればいいですね」。数日後に炉から鉧(けら)を取り出したところ、約6kgの重さがありました。鉄板にして使います。
 岡本代表によると、たたら製鉄は日本独自の技術で酸化鉄の還元反応。砂鉄に含まれる酸素や不純物を炭と一緒に燃やすことで鉄に戻します。950度以上の高温が必要で、不純物がノロとなって流れ出てくるそうです。
 最後の総仕上げは倉吉市広栄町の八島農具興業でナイフづくり(9月22、23日)。この鍛冶作業ができるのは20人。参加者募集中です(申し込みは電話090-3172-0968、岡本代表)へ。
 炭づくりから参加している元学校教師の徳田修二さん(岩美町)は「ものづくりが好きで参加しています。いろんな体験ができて楽しいです。オリジナルのナイフづくりが楽しみ。このワークショップが定期的な体験教室に発展するといいですね」と話していました。

 ※写真上:岡本尚機さん

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