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日野川の〝縄文の森〟を歩く     手島征夫さん

2017年11月18日

 日野軍秋の陣の「アラカシ群落〝原始の森〟を往く」は江府町の日野川左岸であり、町文化協会長の手島征夫さんが県内では珍しいアラカシ群落の自生地をガイドしました。地元や米子市などから15人が参加。奥大山ブナの森クラブ主催、鳥取県社会福祉協議会・とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」共催。
 アラカシ群落があるのは川平発電所の下流、江府町と伯耆町(旧溝口町)の町境あたり。花こう岩の岩山が日野川に迫る急峻ながけ地で、およそ2㎞にわたってアラカシを中心にカゴノキ、スダジイ、ウラジロガシなどの照葉樹があり、この常緑の緑に紅葉が映えて美しい景観がみられるところとして知られます。
 手島さんによると、アラカシがまとまってみられるのは、鳥取市の久松山や千代川などに点々とあるものの、江府町川平のような大規模群落は県内唯一で、急峻な地形で伐採を免れ、大手製紙会社の所有地とあって、まとまって保存されたとみています。
 手島さんの説明は続きます。氷河期は亜寒帯性針葉樹林が全国に広がっていたものの、気温の上昇とともに林相は変わり、縄文時代には西南日本はカシやシイを中心にする照葉樹林、関東地方はクヌギやクリなどの落葉広葉樹林に分かれ、これらの自然林は燃料材や土木建築材などへの利活用で改変され、雑木林になっていったそうで、手つかずの日野川のアラカシ群落は〝縄文の森〟そのもの。「県指定の天然記念物にしなければ」と話していました。
 さて、アラカシ群落を往くウォーキング・イベントは、道の駅奥大山を発着点にした往復5㎞余り。鉄穴橋から旧江尾発電所本館(国登録有形文化財)をながめ、川平発電所を目指して日野川左岸を下ります。たたら製鉄跡地などを見学しながら、うっそうとした〝縄文の森〟に入っていきます。地元の人でも、あまり立寄らない、ハイキングの穴場です。

 ※写真上:手島征夫さん
  写真下:アラカシ群落を歩く(江府町川平、日野川左岸)

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