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ひらがなで考える言葉の意味   中永廣樹さん

2024年2月18日

 大山町女性団体研修会が2月18日、鳥取県大山町保健福祉センターなわで開催され、中永廣樹さんが、古典よもやま話「暮らしの中の言葉~その意味と語源~」と題して講演しました。中永さんは元高校国語教師で源氏物語が専門です。
 この講演では「言葉が情報伝達の単なるツール(道具)のようになっている今、言葉の役割や意味の深さを古語などを手がかりに考えてみる」ことを主眼にしていました。
 まず、奈良時代は漢字のみでひらがなやカタカナはなく、平安時代の頃から漢字の形を崩して書くようになりひらがなができたこと。ひらがなは日本人の心のひだを表すことができ、伝えやすいものと説明し「ひらがながなければ源氏物語もできていない」と強調されました。
 また、最近は「うざい、かわいい」や、絵文字が使用され、繊細な心の動きを表すことをしなくなったとも言われていました。
 そもそも日本人は言葉には威力(言霊)が宿っていると考えていました。万葉集にある山上憶良の歌に「神代より 言ひ伝て来らく そらみつ 大和の国は 皇神の 厳しき国 言霊の 幸はふ国と 語り継ぎ(後略)」とあり万葉の時代からそのように考えられていたことがうかがえます。
 いくつかの言葉を例にとり、その由来を説明されました。たとえば「とし(年)」は、「稲などの実り」がそもそもの意味で、一回の実りに一年かかることから現在の意味になったこと。「先、崎、岬、御崎」などは突き出た陸地を表し、神がいると考えられていた。このため、神社を建立したことなど、言葉の持つ本来の意味を知るとこれまでの知識や慣習、経験などと結びつき、言葉に愛着を感じる気持ちになりました。
 中永さんは1月に源氏物語の入門書『源氏物語をよんでみよう 紫式部が伝えたかった「大切なこと」』を出版されました。県内書店、Amazonで購入できます。
写真の説明:中永廣樹さん、研修会の様子、出版された書籍です。

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