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2023年12月03日
鳥取市尚徳町のとりぎん文化会館で12月3日、煎茶道黄檗売茶流(せんちゃどうおうばくばいさりゅう)鳥取支部(会長足立利喜雄さん)による大煎茶会が開催されました。
日本の代表的な伝統文化茶道には、抹茶道と煎茶道があります。煎茶道は江戸時代中期以降、当時茶道の形骸化が進んでおり、それに異議を唱えた知識人たちが形にとらわれない茶道として見出したのが煎茶道です。このため、茶室や道具に必要以上にこだわりを持たず、自由な精神や風流を重んじています。
黄檗売茶流は京都宇治にある黄檗山萬福寺の茶礼(飲茶の礼法)から発展したもので、煎茶道の祖と言われる売茶翁の美しいお手前を受け継ぐ流派です。このたびは席主として家元通仙庵孝典氏が来県され、後見を務められました。
会場は金屏風に緋毛せんの茶席があつらえられ、ロウヤガキとフウセントウワタの大きなオブジェがこの季節を醸し出しています。薄暗いなかで亭主(お茶を点じる人)にはぼんやりとした照明があたり静謐な雰囲気です。
亭主が煎れる間は静寂そのもの、参加したみなさんはじっと見つめています。亭主が煎れた煎茶がお一人の参加者に供され、その後会員のみなさんが煎れたお茶が参加者に供されました。売茶流を習っている小学生・中学生が晴れ着で着飾り供する姿は新春を祝う催しのようでした。来年は辰年、茶菓子は「春よ来い」と名付けられ辰年に幸せをもたらす縁起物でした。
家元通仙庵孝典氏から参加者のみなさんに「道に学ぶのが日本文化の特長、己の成長に結びつけていただきたい」とご挨拶がありました。
写真の説明:人物は足立利喜雄会長、大煎茶会の様子です。