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2022年5月03日
安部朱美創作人形展「繋がり」が、鳥取県智頭町国指定重要文化財石谷家住宅で7月3日まで開催中です。5月3日にはギャラリートークが開催され、これまでの人形作りで出会った人々や人形に込めた思い、今回の人形展の魅力などについてお話がありました。
1981年、安部さんは独自の技法で創作粘土人形を作り始めます。家族からは「健康オタク」と言われるほど生活や食事に気を配る安部さんですが「人形制作を始めると午前2時、3時。徹夜することもあった」と言います。
安部さんの人形作りの「ターニングポイント」となったのが、2007年京都宝鏡寺門跡人形展50周年記念公募展で千点を超える公募作のなかから大賞を受賞したことだそうです。その後数多くの展示会の開催や国民読書年ポスター(2010)に採用されました。2010年から2016年には全国巡回展「安部朱美創作人形展 昭和の家族~きずな」が開催されました。
安部さんの作品の中心は昭和30年年代の家族、子どもの生活・遊びです。1号蔵展示室には智頭の山並みを背景に、馬跳び、独楽遊び、木の上に作った基地など。土間・主人の間にはちゃぶ台を囲んでの家族の食事風景、おじいちゃんに抱かれながら本を読んでもらう子どもたち、授乳中のお母さんに本を読んでとせがむ子どもたちなど当時を知る人には懐かしい情景が蘇ります。
来場者からは「だっただった(そうだった、そうだった)、したした(こうして遊んだ)」との感想があちらこちらから聞こえました。
「270点を超える作品の展示には3日間かかった」と安部さんは言います。それぞれの作品の表情や情景を伝えるため、「照明の角度も工夫した」そうです。
一つ一つの人形の表情をじっくり鑑賞していただけたらと思います。