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2020年12月05日
大山について学び、考える「大山講座」が12月5日、米子市の日本海新聞西部本社でありました。大山1300年祭(2018年)にちなんで誕生した市民講座で、今年4年目です。歴史と自然の2講座があり、講師はそれぞれ「大山さんのおかげ」を説きました。新日本海新聞社、大山山麓・日野川流域観光推進協議会主催、鳥取県社会福祉協議会共催。
「大山を開いた金蓮上人・考 根平雄一郎さん」
歴史講座は境港歴史研究会代表の根平雄一郎さんが大山を開いた金蓮上人と、その末裔について紹介しました。末裔とはNHK大河ドラマの主人公・明智光秀役の長谷川博己さんです。年明けのNHK番組「ファミリーヒストリー」に登場するそうです。
根平さんは郷土史研究で末裔を突き止め、大山講座で発表したところ、NHKの番組担当者の目に留まり、1年がかりの取材を経て放送実現につながったといいます。「郷土史研究の成果が全国の茶の間に届くことになり、この上ない喜び。大山さんのおかげです」と根平さん。大山寺の全国紹介にもつながる大ホームランになりました。
さて、大山開山にまつわる文書は、鎌倉時代の「撰集抄」と「大山寺縁起」があります。それによると、猟師が山に入って猟をしていたところ、衆生を救うという地蔵菩薩に出会い、これまでの殺生を悔い改めて修行を始めました。金蓮上人と呼ばれました。大山の地蔵信仰の始まりです。
明治時代の「大山雑考」(沼田頼輔著)には、金蓮上人(俗名俊方)は出雲国玉造の人で、その子孫は長谷川というとあります。根平さんはこれを頼りに調査を進め、玉造温泉の老舗旅館、長楽園・長生閣・保性館グループがその末裔と突き止めました。長谷川博己さんの父で、昨年亡くなった長谷川堯さん(武蔵野美大名誉教授)も、この一族です。
根平さんは大河ドラマ「麒麟がくる」に関連して、羽柴秀吉の備中高松城攻めや本能寺の変に話を進めましたが、備中高松城の水攻めでは大山寺の豪円僧正の雨乞い祈祷が実って城明け渡しにつながった史実を紹介しました。
「ファミリーヒストリー」が大山寺や明智光秀や本能寺の変をどのように描くのか興味の尽きないところですが、国民の関心事のなかに、鳥取県の歴史も加わることになり、まさに「大山さんのおかげ」と言えそうです。
ちなみに「ファミリーヒストリー」は1月4日の放送、「麒麟がくる」は2月7日が最終回です。