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2020年10月24日
日野郡の江府・日野・日南3町の官民が一緒になって地域を売り出す「日野軍・秋の陣」が11月末まで開かれています。紅葉が進む日野路。令和のふいご祭、オシドリ観察、奥日野五山めぐり、新米・新そば祭、なぞ解きトラベルなどのイベントが続いています。10月24日夜には古民家コンサートがありました。
古民家コンサートは日野町舟場の古民家沙々木でありました。築190年、元庄屋さんの住まいです(国登録有形文化財)。ここでのコンサートは15回目。今回は親子のクロマティックハーモニカ奏者の坂上達也・和圭子さんがゲストです。
坂上さんによると、半音が出せるクロマティックハーモニカはフルートと同じ3オクターブの音域で、ほとんどの楽曲が吹けるそうですが、体を使わないと音が出ないので、肺機能の強化に良いそうです。近年は認知症予防の楽器としても見直されているといいます。
演奏したのは全部で11曲。聴かせどころは「いのちの歌」と「糸」の合奏。達也さんはアンコールで、コロナと戦うすべての人々の幸せを願って「見上げてごらん夜の星を」を吹き、大きな感動を届けました。囲炉裏のある会場はススキや綿毛、糸車などで装飾され、古民家ムードいっぱい。和佳子さんが「里の秋」「川の流れのように」などをしっとりと演奏すると、観客は懐かしい気分に浸っていました。
この古民家沙々木とともに、日南町菅沢の古民家かつみや、ときわすれ清水屋の3軒が奥日野・古民家ネットワーク(佐々木彬夫代表)をつくっています。いずれも宿泊や田舎体験ができる古民家です。今年の「秋の陣」には「古民家でくつろいで」企画で参戦し、日本ミツバチのみつ湯や抹茶、ハーブティー、お菓子でおもてなしをしています。
ときわすれ清水屋はそば処でもあります。臼びき十割そばを打ちたてで食べられるとあって、お昼時は県内外からそばファンが押し寄せています。お店周辺の紅葉も進み、まさに「時忘れ」できる隠れ場所といったところです。
その清水屋から車ですぐのところに、古民家かつみやがあります。こちらも国の登録有形文化財。大正時代の初めに改修された運送業の事務所兼住宅だそうです。高飛び込みの宮本基一郎・幸太郎兄弟ゆかりの家で、2階にはメダルやトロフィーなどがびっしり並んでいるほか、珍しい農具や民具も展示され、民俗資料館の趣です。
かつみやの裏山のヒノキ林は、遊歩道が整備され、里山遊びが楽しめるほか、近くにはヒメボタルの生息地・聖滝もあり、自炊体験、もちつき体験などで年中、子どもたちの歓声が絶えないそうです。
奥日野の古民家は、それぞれの持ち味を生かして、日野郡の活性化にがんばっています。