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2020年9月10日
鳥取市の若葉台地区自主防災会連絡協議会(山田義則会長)は9月10日、認知症高齢者などの捜索模擬訓練を行い、住民86人が参加しました。年々、行方不明者探しが増えており、住民の捜索協力が広がるよう初めて訓練しました。
鳥取県の調べによると、令和元年の県内の行方不明者は83人で、うち認知症高齢者は40人だったといいます。年々、増えているそうです。鳥取市によると、身近な人が行方不明になったら、まず警察に連絡し、2次被害を防ぐためにも①捜索する人の把握②捜索者の水分、携帯電話、小銭を欠かさぬように―ということです。
訓練は自主防犯パトカーが青色灯を点滅させながら若葉台地区を巡回放送し、始まりました。「白色のシャツに黒色のズボン姿で、身長170cm前後の70歳くらいの男性を見かけたら、○○まで連絡するとともに、積極的に声掛けをしてください」。道が分からなくなった認知症高齢者役も町内を歩きました。
その認知症高齢者役に訓練参加者は代わる代わる「どこにいきょーんさるだ?」「どこだいな、あっちかえ?」「何丁目ですか?」などと問いかけ、声を掛けました。
訓練の後、鳥取市の認知症地域支援推進員による講習がありました。それによると、声をかけるときはゆっくりと近づき、相手の視野に入ってから声をかけ、怒ったり、否定したりせず、相手のペースに合わせてゆっくりと返事を待ち、急に腕をつかんだり、身体に触れたりしないように―ということです。また、通報した後も警察が来るまで一緒に待ち、無理に座らせようとせず、程よい距離で見守る。一番不安なのは行方不明者本人なので笑顔で対応しましょうと指導していました。
訓練に参加した認知症高齢者役の方は「後ろから話しかけられるのは怖いし、急に腕を触られたりすると、どこかに連れていかれそうで怖かった」、声掛けをした方は「なんと声を掛けたらよいか迷った。背後からではなく、正面に回り、目をみて話をするように気を付けた」「近所の人にふだん接するように話しかけたので、難しくはなかった」などと感想を話し合っていました。山田さんは「初めて捜索訓練に取り組んだが、参加者が多く、住民も関心があることがわかったので、次につなげていきたい」と話していました。