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2020年2月20日
鳥取県の理・美容店や公衆浴場などでつくる県生活衛生営業指導センター(松本正嗣理事長)は2月18日、倉吉市のセントパレス倉吉で組合活性化塾を開き、県地域史研究会の小山冨見男会長から鳥取県誕生の歴史や鳥取県を舞台にした大河ドラマ推進運動について学びました。
県生衛業は理・美容、クリーニング、旅館ホテル、飲食など7つの業界からなり、およそ1000店が加盟しています。それぞれの業界のリーダーや世話役が組合活性化策を研究しており、今回は豊かな話題づくりをテーマに「鳥取県再置と鳥取県の日」を学ぶことにしました。
小山さんは「鳥取」の地名由来から説き、平安時代の「和名抄」(日本最古の百科事典)に鳥取郷が①河内国大縣郡(大阪府柏原市)②和泉国日根郡(大阪市阪南市)③越中国新川郡(富山県黒部市)④丹後国竹野郡(京都府弥栄町)⑤因幡国邑美郡(鳥取県鳥取市)⑥備前国赤坂郡(岡山県赤坂町)⑦肥後国合志郡(熊本県西合志町)―の7カ所で登場することを紹介しました。鳥取郷は鳥を捕る人たちが暮らしていたところで、白鳥や鶴を捕って朝廷に届けていたといいます。このころの鳥取は奥深くまで海が入り、久松山下や津ノ井、宇倍神社近くまで湿地が広がっていたそうです。
小山さんの調べによると、「鳥取」に関係する地名や「鳥取」姓は、全国に広がっています。このうち、岩手県新里村の「鳥取」さんは、源平の戦で敗れた平家の落ち武者がルーツで、鳥取藩主・池田家と同じ揚羽蝶が家紋だそうです。
さて、鳥取県再置と鳥取県の日(9月12日)です。鳥取藩は明治維新でいち早く新政府軍に加わり、武功を挙げたにもかかわらず、中央集権化の流れのなかで、明治9年に島根県に併合され、消滅してしまいました。32万石の鳥取藩が18万6千石の徳川親藩・松江藩に吸収されたのです。小山さんによると、当時の日本の鉄の生産量シェアは鳥取県23%、島根県49%。たたら製鉄が盛んな山陰は、日本の大工業地帯だったのです。
職を失い、怒ったのは鳥取藩士。鳥取は不平士族で世相不安に陥ります。ときあたかも、西南戦争を頂点に西日本各地で士族の反乱が続きました。日野郡長などを務め、島根県議会議長だった岡崎平内などが鳥取県再置に立ち上がります。鳥取県廃止を主導した東京府知事・松田道之(鳥取県出身)も今度は再置で動きました。そして明治14年9月12日、ついに鳥取県が再置されました。倉吉市出身の大江磐代君(光格天皇の母、明治天皇の曾祖母)の陰の助力も伝えられています。
鳥取県の日にちなんで、「鳥取県を舞台に! 大河ドラマを推進する会」は2017年から県民の自薦他薦で郷土の歴史や人材を発掘し、郷土愛育成に努めています。これまでに4作品が決まり、NHKなどに放送実現を働きかけています。