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2019年12月14日
鳥取市の気高町総合支所で12月14日、気高町歴史講座があり、鳥取県地域社会研究会顧問の濵田英一さんが、「鳥取県の妖怪と日本・世界の妖怪」について講演しました。約30人が聴講しました。
歴史講座は鳥取県や旧気高郡の歴史をテーマに4回あり、今回はその初回です。今後は「亀井玆矩の治績をたどる」、「探訪・地名の謎」、米子城・水木しげるロードの探訪を予定しています。
濵田さんは著書に「ふるさと鳥取の横顔」「ふるさと鳥取を読む」などがあり、ふるさと博士として知られ、鳥取市の高齢者大学「尚徳大学」などで講義を続けています。
この日は、世界各地の妖怪を紹介しました。それによると、世界には約1万、日本には740(全国妖怪事典)、鳥取県には50くらいの妖怪がいるそうです。世界の妖怪といえば、ドラキュラ(イギリス)や狼男(スペイン)などが有名ですが、ヨーロッパには働き者のノームなど、人間に喜ばれる小人の妖怪も多いそうです。
日本ではゲゲゲの鬼太郎や妖怪ウォッチなどで妖怪ブームが起こり、連れて口裂け女など古くからの妖怪も知られるようになりました。今でも時代を反映した妖怪が誕生しているそうで、高速道路で四つんばいになって車を追いかけてくる「ターボばあさん」も現れています。高速道路を運転するときは要注意です。
鳥取県に目を向けると、例えば大山には烏天狗がいます。天狗は全国的にもよく知られていますが、大天狗、烏天狗、木の葉天狗など鼻の高さや体の大きさによって分類されています。烏天狗は大きな翼をつけているのが特徴で、人間を連れ去るなどの伝説が残っているようです。
琴浦町別宮の転法輪寺には化け猫オフジの話が伝わっています。この寺で飼われている猫で、夜な夜な和尚の手ぬぐいをかぶって踊っていたそうですが、追い出されてしまいます。いつの日か鳥取の財産家の女性がなくなり、いつまでも天気が悪くて葬式もできないので、頼まれて和尚が出かけて拝むと、いい天気になり、お礼もたくさんもらったそうです。オフジの恩返しといったところです。こんな妖怪もいます。
濵田さんは「妖怪の歴史をみると、人間の歴史を反映していることが分かります。妖怪をみなさんの身近な存在として、もっと親しんでほしい」と呼びかけていました。