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2019年8月17日
空き家利活用シンポジウムが8月17日、岩美町役場であり、漁師町の自治会長や元地域おこし協力隊の若者が空き家の利活用とまちづくりについて大いに語り合いました。シニアバンク登録の澤田廉路さん(鳥取県建築士会専務理事)が司会進行しました。
とっとり空き家利活用推進協議会(壹岐昇一会長、県宅地建物取引業協会・県建築士会・県司法書士会・県土地家屋調査士会で構成)が主催しました。シンポジウムは昨年から年2回開いており、智頭町、倉吉市に次いでの開催です。岩美町は2016年の「住みたい田舎ランキング調査」(宝島社)で全国1位になっており、関心も高く、会場は町民や自治体関係者などで埋まりました。
ところで、県の調べによると、県内の総住宅数は256,900戸、空き家は39,400戸、空き家率は15.3%です(平成30年10月現在)。一方、県人口は漸減傾向ですが、県内移住者数は近年増えており、平成29年度は過去最多の2,127人ありました。県は引き続き、住宅や子育て支援などの移住対策に力を入れることにしています。
ちなみに岩美町の空き家は約400戸。そのうち空き家バンクに94軒が登録しており、65軒で所有者と利用者のマッチングが成立しています。全国1位のアンケート調査を反映して、契約率は7割と好調です。
さて、シンポジウムです。兵庫県篠山市を舞台に古民家の宿や篠山城下町ホテルなどで地域再生事業を進めているノオト代表理事・金野幸雄さんが基調講演したあと、田後自治会長の山本達雄さん、網代自治会長の清水博さん、元地域おこし協力隊員の田中泰子さんと岩田薫さんらが加わって、地域で空き家を生かす方法やまちづくりについて話し合いました。
このなかで、金野さんは「空き家の所有者にまちづくりのために家を提供するという気持ちになっていただくことが大切。地域社会を壊すことに家が使われるんじゃないかというのが、所有者の一番の心配事。この懸念を払うのは話し合いにつきる」とアドバイスしました。
また、清水会長は地域おこし協力隊らの発意で実現した網代港の「わかめフェス」を紹介。「向こう1軒、両隣は空き家」の地域ながら、よそ者の目や意見や若者の行動力を受け入れる空気がまだまだ残っており、地域のお母さんたちが経営する漁村カフェ「なだばた」も立派な生業復活、空き家対策につながっていると報告しました。