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2019年4月05日
「咳をしても一人」などの俳句で知られる鳥取市出身の俳人・尾崎放哉(1885~1926年)は4月7日が命日。その放哉忌を前に5日、尾崎家の墓がある興禅寺(鳥取市栗谷町)で「放哉をしのぶ会」がありました。
しのぶ会は「放哉の会」(柴山抱海会長)が開いたもので、2008年から毎年続いています。今年は俳句愛好者15人が参加。みんなで墓掃除をしたあと、僧侶でもある柴山会長が読経するなか、花と線香を手向け、放哉の冥福を祈りました。
献句会があり、1人3句ずつ詠み、以下の5句が好評でした。
桜どき寺の障子を開けておく
不器用に生きて僧衣の裾の砂
もう少し障子開けをく夕桜
花影を揺らし一鴉の飛び立てり
てふてふの見え隠れする放哉忌
「平成」最後の鳥取の桜は、雪の少ない暖冬で早咲きの気配でしたが、開花直前の寒気でスピードダウン。そのせいか、どこの花どころも歩調を合わせたように一斉に開花、満開になり、「春らんまん」を演出しました。今年の献句会は、満開の桜や新時代「令和」への期待や希望を反映した俳句が多く詠まれていました。
「放哉の会」の呼びかけで、鳥取市内には放哉の句碑119基が整備され、新たな観光コースになっていますが、柴山会長は「放哉をしのぶ俳句づくりや書づくり、句碑めぐりをさらに盛んにしていく」と決意を新たにしていました。