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2018年11月11日
日野軍秋の陣のイベントのひとつ、初の日野路神社めぐりが11月11日にありました。これを皮切りに旧溝口町を含む日野郡内78社を順回し、たたらの里の歴史や文化を訪ね、学びます。
奥日野ガイド倶楽部や鳥取県社会福祉協議会が企画したもので、チロル観光主催、鳥取県神社庁日野支部などが後援して実現しました。日野郡は古くからたたら製鉄が盛んで、鉄生産の祖先神・楽楽福(ささふく)神社などが点在しています。ささは砂鉄、ふくは鉄づくりの送風機「ふいご」が由来で、縁起の良い「福」を名乗る神社も多くあります。
鳥取県観光連盟は県内中西部(伯耆国)の縁起の良い名前の神社を選んで「開運8社めぐり」を勧めているところですが、それは福富・福積神社(以上倉吉市)▽豊栄神社(琴浦町)▽富益神社(米子市)▽金持神社(日野町)▽福成・福栄・楽楽福神社(以上日南町)―の8社。半分は日野郡です。
神社めぐりは日南町にある20社のうちから、石見・大石見・福成・福栄・多里・楽楽福の6社を選んでスタートしました。ふだん簡単には回れないコースとあって、米子、境港、倉吉、松江などから申し込みがあり、定員(25人)を超える人気ぶりでした。
コース沿道は石霞渓はじめ、全山が紅葉。神社境内もイチョウの葉で埋まり、参加者は深まりゆく奥日野の秋を楽しみました。樹齢推定600年の大イチョウがご神体の大石見神社は、大国主命2度目の復活の地として有名ですが、多田重美宮司は「その現場は大倉山のふもとですが、場所の特定までには至っていません」と首をかしげます。
ガイドの日南町観光協会・松本みはるさんによると、福栄神社は田中大明神が転じてできたものらしく、縁起の良い名にちなんで宝くじの願掛け、お礼参りに訪れる人が多いそうです。神社前には特産品販売の「福の里」があり、野草茶でおもてなし。同町花口のすみれ会(河田紀美子代表、18人)が深山で採取したクロモジ、ゲンノショウコウ、ドクダミなど16種類の野草を煎じて作った秘伝の健康茶で、便通によいと評判だそうです。
多里神社は祭礼日で、県無形文化財の「かしら打ち」の実演がありました。太鼓を踊りながらたたくもので、県内では豊栄神社と2カ所だけに伝わる珍しい神事です。派手な衣装で、「あーらさ」「どっこい」などと掛け合いながら、打ち方を変え、奉納の舞いを繰り広げていきます。ちびっ子たちもお兄さんたちに交じって、懸命に太鼓を打ち鳴らしていました。そして伝統は守られる。収穫の多い神社めぐりでした。
※写真上:大石見神社から見える分水嶺・谷田峠について説明する多田重美宮司