とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」
0857-59-6336
お問合せ お気に入り

HOME活動紹介

温故為新 新しき人よ目覚めよ!    波田野頌二郎さん

2018年11月10日

 倉吉市の生涯学習講座「美の匠~つながる美の系譜~」が11月10日、倉吉交流プラザであり、河本緑石研究会長の波田野頌二郎さんが、緑石の義兄で砂丘社の同人としてともに活動した中井金三について講演しました。約50人が受講しました。
 この講座は倉吉市教委が5回にわたって開いているもので、鳥取県立美術館の新設整備地に決まった県中部と倉吉市の美術・芸術の風土について知ってもらい、美術館整備の機運を高めていくのがねらいです。
 これまでに①塩谷定好と芸術写真②鳥取画壇の祖・土方稲嶺③次世代の匠たち―の3講座を開き、4回目の今回は波田野さんが「郷土美術の父・中井金三と砂丘社の人たち」と題して、その足跡や功績について講演しました。
 中井金三(1883年~1969年)は、東伯郡小鴨村(倉吉市小鴨)出身。東京美術学校(東京藝術大学美術学部)在学中は、黒田清輝に師事。卒業制作「河岸(かし)」(倉吉博物館蔵)が高く評価され、美術学校教員として残るよう勧められますが、家庭の事情で帰郷。その後は美術教師として前田寛治らを東京藝術大学へ進学させるなど、後進の指導にあたる一方、河本緑石などと「砂丘社」を結成し、展覧会の開催や機関誌の発行など、文化運動を推進しました。また、若くして亡くなった前田寛治の功績を後世に伝えようと、前田寛治美術館の設立にも奔走しました。ただ、資金が集まらず、美術館づくりは頓挫します。
 波田野さんは「金三や砂丘社が残した芸術文化やその精神性は、今も倉吉に息づいている。『温故“為”新』(ふるきをたずねて新しきを為す)。県立美術館新設整備を契機に新しき人よ目覚めよ!」と訴えました。

 ※写真上:波田野頌二郎さん
  写真下:熱心に聴き入る受講生のみなさん

一覧に戻る