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2018年5月13日
大山開山1300年祭にちなんで、大山周辺ではさまざまな記念行事やイベントが開かれています。大山の歴史や自然を学ぶ「大山講座」もそのひとつで、5月13日には大山町の豪円湯院で第1回「歴史散歩~大山の地蔵をめぐる~」があり、郷土史家の千田明さんが講師を務めました。20人が参加。新日本海新聞社・伯耆国「大山開山1300年祭」実行委員会主催、鳥取県社会福祉協議会・とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」共催。
この日はあいにくのしのつく雨。地蔵めぐりができず、急きょ豪円湯院での座学となりました。千田さんによると、地蔵菩薩は水を恵み、現世の苦しみから万物を救うと信じられ、そのご加護を求めて各地に地蔵信仰が広まりました。「大山さんのおかげ」という言葉も生まれ、いまでも大山周辺のみならず、県境を越えて岡山や広島の住民にも脈々と受け継がれています。
大山寺山内には33体の地蔵があります。千田さんは自著「大山の地蔵」で、それぞれのいわれやエピソードを紹介しています。
それによると、夏山登山道に建てられている立正地蔵(地図⑫)は、登山者の安全や遭難者の慰霊を願っており、利生(りしょう)地蔵(地図⑪)は浄水(利生水)が湧き出た場所のそばにあり、女性がこの水を毛髪につけると美人になるとの言い伝えから、多くの参拝者があるそうです。信仰の聖地への入口にある金門地蔵(地図⑱)は、岩山を切り裂いたような絶壁と樹木に覆われ、かつてはその景観に負けないほど大きな地蔵であったといいます。
千田さんは「この講座をきっかけに、今度は天気のよい日に地蔵をめぐってみてください」と呼びかけていました。
※写真上:千田明さん
写真下:大山の地蔵めぐりマップ