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2025年3月15日
令和6年度鳥取県文化功労章受章記念巡回展(東部会場)が3月15日から鳥取市文化センター展示ホールで始まり、文芸部門受賞の歌人北尾勲さんのギャラリートークがありました。巡回展は3月19日まで。
北尾さんは現代短歌を牽引した歌人前登志夫氏に師事し、詩と民俗の研究集団「山繭の会」結成に参加、機関誌「ヤママユ」の同人、運営委員を務められました。鳥取県歌人会の会長、顧問として短歌の普及を図るとともに、「大伴家持大賞」等の選者や小中学校への出前短歌講座、公民館等での短歌教室の開講等、幅広い世代へ短歌の魅力を伝え、地域文化振興に大きく貢献されています。
ギャラリートークでは、前登志夫氏に出会ったきっかけや、学生仲間の歌集「幻想派」の思い出などを語られました。大伴家持大賞創設に携わったエピソードとして、全国的に著名な歌人として佐々木幸綱、河野裕子氏に選者を依頼し、審査では両氏の侃々諤々の議論が繰り広げられとことなどを語られました。
そのあと、展示してある「因幡八景」等の作品を、詠んだ背景なども交えながら解説し、集まったファンの皆さんを魅了していました。
北尾さんは受賞のことばとして、次のように記しています。
石川啄木は短歌を「悲しみの玩具」と言いましたが、私の場合は同じ「かなし」でも、「愛しい」方のかなしみだと思います。この玩具は、何か事あるとき、私を慰め励ましてくれました。それこそが私にとっての支えだったのではなかったかと、今しみじみと考えるのです。
ギャラリートークの締めとして「殺伐とした世の中ですが、光のような世界をめざして詠んでいきたい」とおっしゃっていました。
県内3会場で開催された巡回展は東部会場で終わります。歌人北尾勲さんと書家森田尾山さんの作品を是非とも鑑賞ください。
鳥取市文化センター展示ホール 鳥取市吉方温泉3-701 10時~18時